尿検査・検尿とは…身体への負担も少なく、とても有用な検査

尿検査イメージ

昔からなじみのある検尿の検査。その基本的な 知識についてまとめておきましょう

尿検査は大人になってからの検診や人間ドックだけでなく、保育園や小学校の健康診断などでも実施されるポピュラーな検査なので、みなさん受けたことがおありでしょう。「おしっこを採る」といういわば非日常的な行為は、幼心に強い印象を持っている方も多いのではないでしょうか?

一方、医療の現場、健康診断では尿検査というのは極めて有用な検査です。それは、検便の検査と同様、身体に負担がかからない検査であるでありながら、色々な臓器の異常や疾病の徴候を見ることができるからです。検便の検査については、「要精密検査?健康診断で「便潜血陽性」と言われたら」を併せてご覧下さい。

尿検査でわかること

腎臓・泌尿器系の解剖

尿の異常を理解するためには、腎臓・尿管・膀胱・尿道といった解剖を理解しておくと良いでしょう

では、尿検査では何を測定し何がわかるのでしょうか?

それは尿が作られるまでの過程を考えるとわかりやすいと思います。

尿は、腎臓と言う臓器で作られます。腎臓はいわば血液から不要な物質を濾し取る臓器です。腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に集められ、ある程度の量が貯まると尿道を通じて排泄されます。

通常は、ゴミの不要な成分と水分が尿を通じて体外に排泄されるということになりますが、様々な疾病によって、尿中に本来は含まれるはずのないもの、含まれてはならないものが混じってきます。尿検査では、これらをチェックするわけです。

尿検査の代表的な項目

では、どんなものが混じってはいけないのでしょうか? 代表的なものについて解説しましょう。

  1. 蛋白(タンパク)
    蛋白は基本的にゴミではありませんので、本来は腎臓できれいに濾し取られて、再び血液中にもどります。これが尿中から見つかるということは、濾し取る編み目に問題があるということになります。もし、蛋白が認められた場合には、腎臓の病気(腎炎やネフローゼ症候群)などの可能性を精査していきます。
     

  2. 腎臓の機能そのものが正常でも濾し取る血液に含まれる糖の成分が多ければ、当然、濾し取ったあとの尿にも糖分が含まれます。血糖を測定するには採血しなくてはなりませんので身体にそれ相応の負担がかかります。しかし、尿糖は排泄された尿を測定するため身体に負担がかかることはないというメリットがあります。最近はメタボリックシンドロームで知られるように糖尿病患者さんが増えていることもあり、健康診断での尿糖チェックはほとんどのケースで行われています。
     
  3. ウロビリノーゲン
    これも糖と同じく、腎臓の機能そのものではなく濾し採る血液中に多く含まれていると、尿中にも出てくるのでチェックできるというものです。ウロビリノーゲンは肝臓の細胞や赤血球の中に含まれている成分で、少量は血中にも尿中にも含まれるのが通例です。しかし、肝臓の細胞がダメージを受けたり、赤血球が多量に壊れたりすると血中の値も上がり、尿中にも検出されます。
     
  4. 潜血
    通常は尿中に血液は混じりません。しかし、腎臓から尿管、膀胱から尿道から出血があると、尿中に血液が混じるようになります。腎炎や膀胱炎のような疾患の他に、やはり、注意しておきたいのは腎臓・泌尿器系の悪性疾患(がん)です。基本的に初期は症状が出ることは少ないので尿潜血陽性の場合にはきちんと精査をしておくことが必要です。

尿検査で異常が出たら……再検査・要精密検査

異常があれば、まずは、医療機関へ

異常が出たら、あまり心配しすぎずに、まずは内科へ受診されることをお奨めします

尿検査は簡便な検査である反面、過労や過度の運動などでも異常が見られる項目もあります。

自己判断はせずに、まずは、お近くの内科で診察・検査を受け、今後の検査・治療方針を決めていくことが重要です。


その他の腎臓の病気についてさらに詳しく知りたい方は、「腎臓の主な病気の診断法・治療法」を併せてご覧下さい。
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