手術に抵抗があるならボトックス治療も

市販の香りつきスプレーで、わきがのにおいを目立たなくするのにも限界があります。わきがが気になるのであれば、手術を含めた治療を考えるのもよいでしょう。

簡単にわきが治療をしたいなら、ボトックス注射法もそのひとつです。これは、ボツリヌスA毒素が局所的に神経を麻痺させることから、わきの下の皮下にボトックスを注射し、発汗やにおいを抑えることができます。3~6ヵ月月程度が有効期限です。

わきが手術ってどんな手術がある?

わきが手術の基本は、皮膚になるべく傷をつけず、アポクリン汗腺だけを取り除くことにあります。アポクリン汗腺は一度切除すれば再生することは少ないのです。手術法はさまざまありますが、ここでいくつかご紹介しましょう。

■剪除法(せんじょほう、または皮弁法)
わき毛の生える範囲のほぼ中央の皮膚を横に切開し、皮下を大きく剥離します。切開したところから皮膚を弁状に持ち上げ、皮膚の下をハサミで丁寧に剥ぎ取ります。血管を温存するように、アポクリン腺や皮下脂肪を広範囲に切除していきます。その後、傷を丁寧に縫合し血液が溜まらないようにガーゼを縫い込み、圧迫をかけます。この処置を「タイオーバー」と呼びます。この手術の欠点として、傷跡がやや長く目立ちやすいこと、長期にわたるタイオーバーが患者さんに負担になること、などが挙げられます。

■吸引法
カニューレ(吸引管)を使った手術を行います。皮膚を小さく切開し、管を差し込んでわきの皮膚の裏面を吸引します。アポクリン汗腺を除去しきれていないことも多く、改善が見られないことも少なくありません。

■超音波メス法(キューサー・サクション法)
術後写真
脇の皮膚をめくって施す剪除法に比べ、傷が目立ちにくく、回復も早い

カニューレの先端に超音波メスを取り付けた器具を使用して、超音波の振動を利用しアポクリン汗腺組織をこすって除去する手術です。超音波による摩擦熱が汗腺組織にダメージを与えさらに効果を高めます。この手術法の特長は、吸引法と同じような2ヵ所程度の小さな傷だけで手術が可能なため傷跡が小さく、さらに広い範囲を何度でも手術できることです。この手術法はまだ広く普及しておらず、また医師に熟練した技術を要しますが、その効果から期待の高いわきが手術法といえます。価格は、両脇で20~30万円が目安です。

アポクリン汗腺を取りすぎると……

アポクリン汗腺をすべて取り除くのは難しいとされます。皮膚のすぐ下、表層部にあるアポクリン汗腺をはじめ、中部、深部にもあるのでこれをすべて取り除こうとすると、皮膚中の血管組織を壊死させることにもなりかねません。ですから、周辺のアポクリンすべてを取り除くのは不可能に近いといえます。手術でにおいをゼロにはできませんが、アポクリン汗腺を大体50%取り除ければ、においの75%ほどが減少するといわれます。

最後は、ヒトと動物のわきがにまつわる話です。