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マヨマニアのあなたへ マヨネーズかけてもいいですか?(2ページ目)

世の中には2種類の人間しかいません。それは、ずばりマヨマニアとアンチマヨです。これほど物議をかもし出す調味料は他にありません。そんなマヨネーズについて成分解説しました。

執筆者:赤堀 一仁

さて、アンチマヨを払拭?いや、同意が取れたところでマヨマニアの世界を堪能していただきましょう。まずは素朴な疑問、マヨネーズって何?からどうぞ
マヨネーズは植物油、たまご、酢を混ぜて作られます。

栄養の源、植物油
植物性の油の中には、リノール酸、α-リノレン酸という体内では合成できない必須脂肪酸を多く含んでいます。これらの成分は、人間の健康維持のための栄養素として、欠くことのできない成分になっています。マヨネーズにしても然り、使われている油はこれらの植物油が使われています。
このような食用植物油はラードなどの動物性の油に比べて、血液中のコレステロール値を下げる作用を持っているといわれます。

疲労回復の醸造酢
激しい運動や労働などをして体が疲労してくると体内に老廃物が蓄積されます。酢に含まれているクエン酸や酢酸はこの老廃物をとり除く手助けをして、疲労回復を助ける働きもあります。夏になり気温が上がると、酸っぱいものが欲しくなったりします。これは、酸味によるさわやかさに加えて、疲れた体を回復するために、体がこうした物質を要求するのかもしれません。

つなぎ役の卵
ドレッシングの中にセパレートタイプというのがあります、毎回振って使うアレです。実はマヨネーズもこれと同じ組み合わせなのです。このセパレートドレッシングにつなぎを加えてクリーム状にしたものがマヨネーズというわけです。この水(酢)と油(植物油)という本来混ざる事のない成分どうしを混ぜるのはちょっとした特別な技術が使われているのです。

セパレートドレッシングに比べて酸味がまろやかでクリーミーな味になっているのもこうした理由によるからです。

さて、マヨネーズが油っぽくないのは、酢が油の粒をつつみこんだ状態になっているからなのです。酢と油をつなぐ役割をしているのが、卵。卵の中のレシチンという成分が界面活性剤として働く事により、コロイドという状態を作るのです。この状態を「乳化」といいます。界面活性剤というのは石鹸などの機能として有名ですね。乳化の説明はまたの機会にするとして、とりあえずマヨネーズは水を弾く側を内側に、油滴をレシチンが取り囲んで酢の中に存在しているのです。

この乳化というのは、いろいろな所に存在していて気がつかないところで同じ技術による製品があるのです。薬の世界ではハンドクリームや一部の注射液などに応用されているのです。マヨネーズと同じように水分の中に油滴を閉じ込めたり、逆に油の中に水滴を閉じ込めたりして性質の異なる物質を共存させてそれぞれの効果を機能させる、などの目的で作られています。

おっと、今回はマヨネーズのお話しでした。この乳化と言う技術は、自分で簡単に実験ができ、体験できるのです。自家製マヨネーズを作ってこの乳化の反応を見てみるのも面白いかもしれません。
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