見た目ではなく、素材のエネルギーを引き出す
カフェ・サンテ代表 福井佑実子さん(左)と料理研究家の三好万記子さん(右) |
南・・・三好さんは、パリのリッツ エスコフィエや、コルドンブルーで料理を学ばれたそうですが、素材に対する考え方を聞かせていただけますか?
三好・・・私は、主人の仕事の関係でパリで暮らし、フランス料理の勉強をし、日本との違いを知る事ができました。日本のスーパーでは、例えば形や大きさが揃っている野菜が並んでいますが、パリのマルシェでは、形や大きさは不揃いですし、きれいにパック詰めもされていません。けれども本当に生き生きとして味も濃く、素材のエネルギーが感じられます。
そういう野菜のエネルギーを引き出すこと。例えば、1つの料理で、たくさんの素材を使い過ぎると,素材の持ち味がぶつかってしまうので、個性をつぶさないように、料理するように心がけています。またフランス料理や日本料理、様々なテクニックは使いますが、日本らしい旬の野菜にこだわったお献立を心がけています。
旬にこだわることの難しさ
間引いた人参はまるごとピクルスに使用。間引き作業は大変なので、福井さんが手伝いにいくと農家さんに喜ばれるとか。 |
三好・・・スタート時にはたいへん苦労しました。毎回「贅沢野菜のバランスランチ」では貴重な野菜・畑と相談しながら、3カ月間の野菜リストをいただいてレシピを開発し、お客様の注文を受けたあと、農家さんに収穫してもらっています。
でも自然が相手ですから、メニューを考えていても、生産地で収穫できる時期がズレたりすることもあります。予定していた素材が変われば、また試作をして調理法や味を確認しなければなりませんから、本当にたいへんでした。
また夏なら、トマトやピーマン等、カラフルな野菜も増えますが、冬はやはりダイコンやレンコン等、地味な根野菜が中心になりますので、彩りを考えると、旬にこだわることはとても苦労もあります。
南・・・でもそういう苦労は感じられない、とてもすてきなお弁当ですね。特に女性なら喜ばれるでしょう。こんな素敵なお弁当が、野菜がたっぷりで低カロリー、塩分2gと健康的で、しかも生産者の顔が見えて安心なのですから。ダイエットをしている人、LOHAS志向の人などはもちろん、メタボリックシンドロームが気になる中高年の男性等、いろいろな層に満足されそうですね。
カフェ・サンテは発達障害者の就労支援活動もありました。そのお話の続きは、次のページで・・・。・・・・>>