とかく外食は食物繊維が不足がちです。そこで、どうせなら食物繊維を摂るためにパンよりご飯。ご飯と相性の良い和食を積極的に食べることがオススメです。実は炊いたご飯は隠れ食物繊維が豊富なのです。
【食物繊維は高コレステロールと大腸ガンを予防します】
▼高コレステロール血症の予防
食物繊維は栄養素ではありません。食物繊維のうち水溶性の食物繊維は余分な脂質の吸収を抑制します。結果的に高コレステロール血症を予防します。
▼大腸ガンの予防
もう一つの働きとして大腸癌予防があげられます。食べたものが大腸を通過するときの時間が長いと、発癌性のある物質などの、体に害のある物質と大腸の粘膜との接触時間が増加し、結果として大腸癌の危険が増す可能性があります。食物繊維のうち非水溶性の食物繊維は大腸の運動を活発にして、食べ物の大腸での通過時間を短くして、大腸癌を予防します。
【デンプンはα化すると消化しやすくなります】
食物成分表をご覧になったことはありますでしょうか?
冒頭に、炊いたごはんは隠れ食物繊維がたくさん!と書きましたが、成分表を見ても、『米の食物繊維は豊富』とは書いてありません。また、パンの原料の小麦と米の食物繊維に大差はありません。
ところで、米は実(み)のまま、大量の水を加えて過熱調理します。一方、小麦は粉にし、適当量の水を加えて加熱調理します。両者ともにデンプンを含みますが、加熱によりデンプンの化学構造が変化します。この化学構造の変化をα化と呼び、α化したデンプンは消化しやすくなります。
【隠れ食物繊維とは】
米も小麦も加熱により、消化・吸収がよくなる点は同じです。しかし、すべてのデンプンが、消化のよいα化するわけではありません。
米の場合は、調理過程で逆に消化ができない形の変化が起こります。
米に水を加えて加熱することで、高分子(大きな分子)のデンプンが、より高分子のデンプンに変化します。高分子どうしが結合するので、高分子重合と呼びます。この大きなデンプンが隠れ食物繊維の正体です。
通常のデンプンの粒子よりさらに分子量が大きいので消化管では、ブドウ糖まで分解することができません。この分解できなかった分が食物繊維となります。
【ご飯と野菜を食べましょう!】
米を食べる日本人の食物線維源としては、米の隠れ食物繊維が量的に一番多い事になります。
ただし、隠れ食物繊維は水溶性の食物繊維です。非水溶性の食物繊維を多く含む野菜の摂取も忘れないようにしましょうね。
野菜というと葉物を考えがちですが、和食の食材の切り干し大根、干し椎茸、おからを使った惣菜が、非水溶性の食物繊維が多い献立です。今日のランチメニューは和食で決まりですね。
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