<CONTENTS>
- NASAも注目するサツマイモ……P.1
- サツマイモの優れた栄養成分……P.2 サツマイモの上手な食べ方……P.3
NASAも注目するサツマイモ
宇宙農場での栽培に期待されるサツマイモ 画像提供EyesPic |
将来、人間が宇宙に長期間滞在するようになり、食料を自給自足する際に栽培する作物として、これまで稲や麦、芋類の研究が重ねられてきたそうですが、中でも今アメリカ航空宇宙局NASAが、特に注目しているのは、サツマイモだというのです。
穀類と野菜の栄養を合わせ持つ準完全食品
サツマイモは、やせた土地でも、また手がかからず作り易い作物です。しかもエネルギー源となる糖質が多く含まれている食べ物ですから、江戸時代の蘭学者青木昆陽により飢饉や食糧難の際の「救荒作物」として全国に広まり、多くの人命を救ってきた優れた食べ物です。栄養の面から見ても、芋類は、米や麦などの穀類と同様に糖質を多く含むので主食としている民族がありますが、サツマイモは、ビタミンやミネラルも含まれているので、穀類+野菜から得られる栄養素を合わせもち、その栄養バランスがよいことから,準完全食品とも呼ばれています。(タンパク質や脂質は少ないですが)
その他にも、茎や葉も食べられ無駄なく利用できる、調理法も幅広く飽きがこないなどという理由から、NASでは宇宙環境に適した新しい品種改良の研究を進めているそうです。
茎やツルもおいしく食べられる品種も登場
幼い頃戦争を体験した私の親世代は、サツマイモの葉柄は、苦しい思い出のイメージの象徴のようですが、サツマイモの葉柄は東南アジアでは野菜として扱われています。「ベニアズマ」「ベニコマチ」などの品種も、葉柄を利用できるそうですが、収穫量が少なく苦味が強くて食べにくいのが難点でした。農林水産省農業研究センターでは、サツマイモを根だけでなく、葉柄を野菜として食べられるように、平成8年に新品種(農林48号)「エレガントサマー」を育成し登録しました。
「エレガントサマー」の葉柄は 生で葉柄をかじっても苦味がなく、サクサクとした歯触りなのだとか。煮物ばかりでなく、和え物やサラダとして食べられ、また根の芋の部分もおいしく食べられるそうです。将来気候変動などの影響で食料不足が懸念されていますので、こうした無駄なく利用できる食べ物を、私たちも消費者も大切に食べる切れるように、知恵を学んでいきたいと思います。
さて、NASAにも注目されるサツマイモは、食物繊維が多くお通じがよくなるということは知られていますが、抗酸化成分も多く、美肌のために、また生活習慣病予防などにも役立つ優れた栄養成分があるのです。
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