■金利が上昇すると
[1]予定していた返済額よりも増額する(借入額を固定した場合)
⇒生活(家計)が苦しくなる
[2]借入額が減る(毎月の返済額を固定した場合)
⇒頭金を増額する必要性が発生
⇒頭金の増額ができない場合、購入マンションの見直し
契約前に金利が上昇すれば、[2]のように借入額や頭金、購入価格を見直しし、毎月の返済可能額の範囲で調整ができます。ですが購入後、住宅ローンの返済中に金利が上昇すると大変です。[1]のとおり、直接あなたのお財布を圧迫します。
以前、当“マル得”マネープランシリーズ(バックナンバーを当ページ終わりに紹介)にて、「金利上昇に負けない!?」住宅ローンとの賢い付き合い方についてお話ししました。今回は、余裕ある返済プランの組み方のコツをお話しします。
金利が違うとこれだけ違う
例えば、3000万円を35年の元利均等返済で借入れたとしましょう。元利均等返済とは、金利が一定の場合、毎月返済額が一定となる返済方法です。
借入額にもよりますが、金利が1.5%上昇すると毎月返済額の差は、23,600円にもなります。さらに、完済までの35年間の総利息額の差は約992万円にもなります(金利が一定の場合)。当然のことながら、住宅ローンの金利は低ければ低いほど利息の総支払額が少なくて済みお得です。固定金利以外のタイプを選ぶ場合には、金利上昇リスクを自分の中でどのように解決するかが鍵となります。
自分の毎月返済可能額を把握しよう
金利上昇も事前準備ができていればマンションライフは快適!? |
ですが、毎月返済可能額が12万円であればどうでしょう。1.5%という低い金利で借入れることで毎月2万円強の余裕が生まれます。この余裕を繰上げ返済用の貯金にまわすこともできます。また、当初の返済額を毎月返済可能額より低く抑えることで、ある程度の金利上昇に備えることができ、気持ちの余裕も生まれます。
「金利が上昇したらどうしよう。」との心配は当然ですが、まずはご自身の毎月返済可能額を把握し、その範囲内で余裕をもった返済プランを組むことが不安解消のコツです。
シングルライフは、金利上昇以外にも予想できないライフプランの変化を秘めています。ギリギリの住宅ローン返済ではなく、ほんの少しでも余裕をもたせる返済プランを立ててください。お金の余裕以上に気持ちの余裕がでてくるはずです。
金利が○○%になったら、を想定する
金利が4.0%になればどうでしょう。毎月返済額は132,832円にもアップします。けれどもこれは、3000万円を借入れた場合の金額です。数年後に金利が上昇した場合、それまでの返済により借入残高は減っていますし、繰上げ返済などでさらに残高を減らしておくと、金利の上昇リスクのダメージを小さくすることが可能です。
「金利が例えば4%になっても毎月返済可能額の範囲内だわ」とイメージして住宅ローンを借入れるのとそうでないのとでは、金利の上昇に対する不安感が違います。毎月返済可能額を把握すると同時に、その額は借入額に対して何%の金利に耐えうるのか、を想定しておきます。そうすれば、金利上昇という目に見えない不安を少しでも形にしておけてよいのではないでしょうか。
今回は、金利上昇に負けない、細く長くの返済プランをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。次の機会には、太く短くの返済プランをご紹介したいと思います。
【シリーズバックナンバー】
シングルのマンション購入“マル得”マネープラン
[8]金利上昇に負けない!?ローンの組み方[2]
[7]金利上昇に負けない!?ローンの組み方[1]
[6]シングルだって怖くない折衝心得
[5]マンション買うなら保険を見直せ
[4]シングルでいたい派の資金計画
[3]頭金増額!作戦3―「親から借りる」
[2]頭金増額!作戦2―「共有名義」
[1]頭金増額!作戦1―「生前贈与」