[1]住宅ローンの借入が5000万円あっても、4000万円が限度

まずは控除対象限度額を理解しよう

まずは控除対象限度額を理解しよう

冒頭でお話しした通り、住宅ローン控除では、控除対象限度額が決まっています。限度額は、年末の住宅ローンの借入残高で判断します。平成30年入居の場合は4000万円です。高額な都心のマンションを多額な住宅ローンを借入れて購入した場合も、住宅ローン残高の全額が控除対象とはならない場合があるので注意が必要です。

さらに注意したいのは、中古マンションを購入する場合です。個人の売主から購入するケースなど消費税が課税されない中古マンションを購入する場合は、控除対象の限度額は2000万円になります。住宅ローン控除の対象額は、消費税が5%から8%に増税されたタイミングで4000万円に引き上げられました。よって、消費税が課税されない中古マンションの控除対象額は従前の2000万円に据え置きされたのです。あなたが3000万円の住宅ローンを借入れて中古マンションを購入する場合、消費税が非課税であれば、住宅ローン控除の対象は2000万円までの借入残高となるため要注意です。

※当記事では、以下「新築マンション」を購入するケースでお話しいたします。


[2]住宅ローン年末残高×1% or あなたの所得税額?


新築マンションを購入する場合、住宅ローン控除で戻ってくる金額は、[年末住宅ローン残高(限度額4000万円)×1%]で計算できるとお話しました。ですが、これにも落とし穴があります。

当制度は、4000万円超の借入残高があれば所得税から40万円が控除される仕組みですが、実際に戻ってくるのは支払った所得税額が上限です。つまり、あなたの所得税が20万円であれば、20万円しか戻ってきません。

例えば、年末残高が3000万円あれば控除枠は30万円です。ところがあなたの所得税額が20万円であれば、控除されるのは20万円。この差額の10万円は翌年に繰り越したりすることはできず、パァ。ですが、支払った所得税が還付される制度なので、当然と言えば当然ですね。所得税額は源泉徴収票などで確認できるので、事前に把握しておくと落とし穴にはまらなくてすみます。

そして、朗報があります。上記のように所得税では控除できない差額がある場合は、住民税から控除(限度額あり)を受けることができます。当制度は2段階になっているありがたい仕組みです。

※住民税から控除される金額の限度額は、以下の通りです。
新築マンションの場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の7%(13万6500円を限度)
消費税非課税のマンションの場合:前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(9万7500円を限度)


[3]最大控除額を受けるには、借入額4000万円ではダメ


住宅ローン控除は、10年間で最大400万円の控除を受けられます。400万円とはとても魅力的な数字です。400万円は控除対象の10年間、最大限に控除を受けることを前提としています。よって、当初10年間の住宅ローン残高が常に4000万円以上でなければならず、当初の住宅ローン借入が4000万円だと、返済が進むにしたがって残高が減っていくため最大控除額の恩恵は受けられません。

住宅ローン控除を最大限に受けたいからと、必要以上に住宅ローンを借入れる人はいないと思いますが、大切なことは住みたい場所の住みたいマンションを自分に合った資金計画で購入することです。控除額にのみ心を奪われること無く、安心安全な返済プランを選択してください。


[4]コンパクトマンションの落とし穴、面積要件に注意!


ここまで、住宅ローンの借入額や所得税額についてみてきましたが、住宅ローン控除を受けるには、マンションの面積要件にも注意が必要です。

規定では、「住宅の床面積が50平米以上であること」となっています。皆様の中には、「1人だし、そんなに広くなくて十分だわ」とコンパクトマンションの購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

最近では、小さめのコンパクトマンションに対して通常と同様の融資を行う金融機関も増え、購入時の住宅ローン選択は大きく広がっています。ですが、住宅ローン控除の面積要件は50平米以上。50平米未満のマンションを購入する場合は、住宅ローン控除の適用外であることを認識しておきましょう。

次ページでは、50平米あるのに適用対象外となる悲しい落とし穴についてです。