SOHOで働く/SOHOの営業活動

50歳からのSOHO ~経験から仕事が生まれる

50代いや、60代から起業した硲野(はざの)さん。退職後に、故郷の和歌山の特産品を販売するネットショップを開業。起業から継続運営までのノウハウを伺いました。

宮田 志保

執筆者:宮田 志保

テレワーク・在宅ワークガイド

在庫管理
包装はオリジナルを用意。ご贈答品に喜んでいただける商品です。
「もうすぐ定年をむかえるが、今度は自宅でできる仕事がないだろうか」とご相談を受けることがあります。50代、60代からSOHOを始めたい人がたくさんいるのですが、なかなかぴったりの仕事が見つからないと悩む人が多いのが現状です。

今回、取材をさせていただいた硲野さんは65歳。「テーマである50代の起業ではないのですが…」と少し照れくさそうにお話を聞かせていただきました。ネットショップでいきいきと活躍している硲野さんから、 SOHOで楽しく生きるポイントを学んでいきましょう。

北鎌倉 きのや
硲野さんのネットショップ「きのや」は、平成16年10月1日に設立された有限会社で、主に各地物産、加工食品、健康飲料、化粧品などの卸・小売販売をされています。「頂いて喜ばれるこだわりの一品」ばかりをセレクトされているので、全国各地のお客様よりオーダーをいただくそうです。中には、わざわざ車にて事務所である自宅まで買いにこられる方もいるとか。包装紙、ネットページなど、いたるところに硲野さんのこだわりが感じられます。

まだまだ仕事はできる。熱い想いだけが残ってしまった

定年になるまでは、芝浦エレテック株式会社の社長を務めていました。私が社長に就任後、経営理念やビジョンを明確にし、様々な中長期計画を実行してきました。おかげさまで右上がりの業績となり、社内にも活気がでてきていました。私自身も「まだまだやれる」という自信もあったし、体も気持も熱くなっていました。その時に、定年という「時」を迎えたのです。

「まだ自分では仕事ができると思っているのに…。」
年齢だけを理由に老人社会に閉じ込められることに強い反発がありました。企業グループ全体のルールで退職せざるを得ないのであれば自分でやるしかない。と社長退任後、顧問の期間中に起業を決心しました。

喜ばれていたお土産から始まったネットショップ

きのや商品
ご自宅の書斎を事務所として活用。在庫管理も行います。
急に自宅にいることが多くなり、自分自身についやす時間も増えてくるようになりました。周囲の人に相談したり、本を読んだり、いろんなケースを想定しているうちに自然と夢が膨らみ、一気呵成(いっきかせい)にやりたくなってきました。

従来の電子関連の仕事であれば容易かったのですが、部下が「社長が売り込みにこられて、その価格を下げて欲しいとかお願いするのは辛いです」と言うんですね。私も確かにそうだなと思い、全く別業種の仕事にしようと考えました。

そこで、帰郷した際のお土産として喜ばれていた紀州の「梅干」や「金山寺味噌」をWebにて販売することを思いつきました。ネーミングも「きのや」「紀の屋」「紀乃屋」など、印象を社内の女性たちにリサーチしたりして、一番読みやすく人気のあった平仮名の表記に決定しました。最初は「横浜 きのや」だったのですが、横浜だと中華料理と、とられがちなので、鎌倉が近いので「北鎌倉 きのや」としました。社名のロゴは知人に書いていただきデザインもしていただきました。

きのや運営をスタート。その戦略とは?
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