大学生の就職活動/就職活動の選考対策

先輩取材をして最強の自己PRを作る 2

自己PR(志望動機)は憶測で書いてもダメだ。その会社が求める人材を先輩を取材することで把握し、その力を表現できる大学生活エピソードを引っ張り出せ。説得力がある自己PRは全て行動に裏打ちされるのだ。

執筆者:見舘 好隆

STEP-07:大学生活における、自分を成長させた出来事を箇条書きする

失敗経験
恥ずかしく、情けなくなるくらいの失敗談が丁度いいよ。
※記事「先輩取材をして最強の自己PRを作る」より続く。
さて、メッセージを作ることができた。これで半分完成だ。次にする作業は自己分析。その結果とメッセージを繋げる作業を行うのだ。

では、とにかく自己分析しよう。ポイントは、「自分を成長させた出来事」をひたすら「箇条書き」することだ。

良く見るイマイチな自己PRが、ただ大学生活の経験を日記のように書いているパターンだ。大切なことは「その経験で得た力」であって、「経験したこと」ではない。「経験したこと」だけ書いて、後は面接官に推理させろというのか? それじゃあダメだ。あくまでも「自分を成長させた出来事」を洗い出そう。今までの記事でも何度か触れたけど、自分を成長させた経験は、概して「失敗経験」「情けない経験」である。考えてみればわかるけど、成功体験ももちろん自らを成長させることは否定しないが、面接官から見たら「たわいもないこと」に過ぎないことが多い。面接官も感嘆するスゴイことならわかるけど、ちょっとした成功体験では心に響かないし、「会社ではそんなレベルの成功は成功とは呼ばないよ」と思われたら逆効果だ。よって、「失敗し学んだこと」を伝えたほうがベターであると言える。

※成功体験をPRすることは否定しない。しかし、単なる成功体験より、その前にあった試練をセットした成功体験の方が感動を呼ぶ。なぜなら、面接官は挫折の経験から成長できる人は、会社でも長期的に活躍してくれると考えるからだ。
挫折や失敗にどう向き合い、どう心の整理をつけて立ち直ったか、さらにその挫折経験から教訓を獲得し、今に活かしている、改善に結びつけているかどうかを知りたいのだ。


参考までに、私の大学時代の「自分を成長させた出来事」を羅列してみる。
  • 時間管理の重要性…子供劇の照明をセットし操作するアルバイトに遅刻し、本来予定していた照明操作を割愛した演出に変更させ、先輩スタッフが一人で本番を切り盛りさせてしまった。その姿を観て、自分の情けなさに涙を流した。いかに時間管理ができないことが、人にお客様に迷惑を掛けるのかを学んだ。
     
  • 基本を大切にすることの重要性…小僧寿しのアルバイトで、私が炊くのを失敗した30合のシャリを、店長は私の目の前で丸ごとゴミ箱に捨てた。そこで得たとこは、基本をおろそかにすることを絶対にやってはいけないということだ。
     
  • 泥水を自ら被ることで勝ち得る信頼…お正月の神社でのグッズ販売バイトで、言いがかりをつけるお客様との応対で苦しんでいる同僚を物怖じして助けてあげられず、結果そのバイト仲間から総スカンを食らった。仲間からの信頼を再び取り戻す難しさに比べたら、あの時矢面に立つ勇気なんてとても小さなことだと心から理解した。
情けない私の想い出だけど、どれも今の自分の基本エネルギーの源になってる。

みなさんも以上のような「情けない経験」の一つや二つはあるだろう。言いたくも無い恥ずかしい経験があるだろう。でもそれこそ、「それによって成長できた」と意味づけすれば、決して恥ずかしいことじゃないんだ。

【アクション】★自分を成長させた出来事を、箇条書きにしよう。特に失敗経験がいいよ。


※次のページで、「STEP-08:先輩取材で得た“求める人材”を確認する」ことを学ぶ!

※上に挙げた私の例は、かなり情けないエピソードだ。しかし、あの経験があるからこそ、今の仕事においても「時間を守る」「基本を守る」「踏み出す勇気を厭わない」ことが私の仕事の基本スタイルになっていると思う。もちろん、私も完璧じゃないからミスもするよ。でも問題は、ミスをした時に「素直に謝ること」ができるかだと思うんだ。謝ることができなかったら、人はもう成長しないと思っている。偉そうに書いているけど、私は何度も情けない経験をして、その結果を何度も泣きながら受け止めて、そして「素直に謝ること」がこの歳になってやっとできるようになったんだ。大学時代の私は情けない限りだった。でも、あの頃に得た経験は、決して無駄ではなかったと思っている。


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