オレオレ症候群
面接は会話だ。もっと話したいなと面接官に思わせなくてはダメだ。 |
面接官は「会話」を求めている。なのに、質問→答え→質問→答え…の連続になっていないだろうか。
例えば、
「最近暗いニュースが多いと思いますが、その中のニュースで気になったものを挙げてみて下さい」
と聞かれたとしよう。単に、
「マンション耐震強度偽装問題です」
と言っても、つまらない。そこで、
「そうですよね。最近暗いニュースが多いですよね…。中でも気になるのがマンション耐震強度偽装問題です」
というと、面接官とのコミュニケーションはスムースになると思いませんか? キャリアカウンセリングの傾聴(ヘルピング)における、「リピート」というテクニックだ。単に答えるより、相手に「ちゃんと話を聞いていますよ!」というメッセージを伝えることができる。さらに、
「そうですよね。最近暗いニュースばかりで、本当にせつなくなります…。中でも気になるのがマンション耐震強度偽装問題です」
このように違う言葉に言い換える手法を、キャリアカウンセリングの傾聴(ヘルピング)では「言い換え」と呼んでいる。「リピート」より更に「相手の話を受け入れていること」を伝えることができる。また、
「最近、たくさんの人の心を最も暗くさせている事件の一つは、マンション耐震強度偽装問題です」
このように面接官の言葉を丁寧にまとめる手法を、キャリアカウンセリングの傾聴(ヘルピング)における、「要約」と呼ぶ。これも相手の話をちゃんと聞いていることを伝える手法の一つだ。
その他、相手の話すペースに合わせる工夫(「ペーシング」と呼びます)、また話を楽しく聞いてますよ!という表情、そして基本となる「頷き」もとても大切だ。ほら、あなた自身も、恋人と話す時と、普通の友達と話す時と、親愛なるおじいさんと話す時と、3歳の子供と話す時では、全くペースも、表情も、動作も違うでしょう。面接官もいつも同じ人ではない。その都度、相手が受け入れやすいペース・表情・動作にカスタマイズすることが重要なのだ。
あなた普段、人と話す時と同じレベルの「注意力」を、面接官と話す時も心掛ければいい。そうすることで、面接官も君と話すことが心地良くなるはずなのだ。
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※その他、オープンドクエスチョントとクローズドクエスチョンの使い分け、会話の焦点を人に当てる、など。『コミュニケーション集中治療室』にはまだまだ載ってるよ。