「本社訪問」で1馬身リード!
次の日の朝11時、志望会社A社がある街の駅で彼女と待ち合わせた。この場所を指定したのは私。そして、彼女は頭に?マークをたくさんくっつけて現れた。
「あのぉ…そもそも、なぜ本社に行く意味あるんですか?会社訪問のアポも無いし、外から覗いても、意味無いと思うけど」
「普通行かないよな」
「行かないでしょ!」
「だから行くんだよ」
彼女の目は丸くなる。
「ポイントは3つさ。一つは“面接官と共通の話題を作ること”。ほら、あの本社の前のラーメン屋『はなぶさ』、結構流行ってるよな。あの店の話を面接ですればいい。“先日御社に行ったのですが、近くのラーメン屋『はなぶさ』行列でしたね。あそこは美味しいんですか?”と話してみろ、面接官は君の熱心さを感じるし、親近感を持つ」
彼女はうなづく。
「二つ目は“会社の雰囲気を肌に刷り込むこと”。アポは取って無くても、入り口に出入りしている人や受付は観察できるし、近くのカフェへ行けば社員の日常生活は垣間見ることができる。自社ビルじゃなければ、中に入ってトイレやエレベーターを使ってみるのもいい。社員とすれ違うかもしれないしね。今駅から歩いた道も、社員が見る景色だ。将来の自分がここで働くことを想定してごらん。イメージできれば、本当に入りたい会社だ」
彼女は大きく息を吸った。
「最後は“本社訪問した自分に自信を持つこと”。普通は誰も行かない。なら、行かないライバルよりも、君は進んだんだ。内定を取れば歩む道を、内定を取れば訪れる場所を、内定を取れば吸う空気を、君は感じた。何となく自信が出て来ないか? 訪れない自分よりも遥か進んだ自分に」
彼女はゆっくり目を瞑った。
そして、目を開き、歩き出した彼女の足取りは、少し軽くなった。
※補足すると、事前に会社案内をもらうアポを取る手もある。会社説明会で事前にもらう前に熟読すれば、ライバルに大きく差をつけることができるからです。もちろん、事前に郵送されていなければの話ですが。
※次のページは、「全店舗制覇」。これでライバルに2馬身リード!