答を得やすく選択肢が多い環境を選べ。
以下は、就職活動から離脱して目指す落としどころとして、オススメできないパターン。一つ一つその理由を添えていく。
1-2「モラトリアム延長型専門学校進学・留学」
明確なスキル取得ではなく、単なるモラトリアム延長のために高い学費・渡航費を支払うのは、あまりパフォーマンスのいい手段とはいえない。この学費はきっと親が払うのだろう。この時期においてまで親に学費及び生活費を負担させるのは、後述する「ニート」と大差無い。せめて学費を貯めてから行けばいい。自腹で払う覚悟があれば、無駄な投資には決してならないのだから。そして学費を貯めるなら、「不本意な新卒正社員」でお金を貯めた方がいい。フリーターで貯めるより、履歴書に書ける実績を積みつつ働く方が、後で選択肢を狭めない分、効率がいい。
2-0「モラトリアム留年」
かなり明確なモラトリアムの延長だ。1年ぐらいの留年は新卒採用で不利にはならないが、単なる先延ばしだと同じ失敗をしそうな気がするのでオススメできない。せめて学費を自腹で払うべきと思うが、アルバイトする暇があったら就職活動したほうがいいので、親に借用書でも書いて社会人になってから返済せよ。それくらいの気構えはほしいぞ。
3-4「モラトリアム延長型フリーター」
3社に1社はフリーターを雇いたくない現実がある。厚生労働省がまとめた2004年雇用管理調査によると、フリーターを正社員として採用する場合、フリーター経験をマイナスに評価する企業は30.3%で、プラスに評価すると答えたのは僅か3.6%。マイナス評価の理由は「根気がなくいつ辞めるか分からない」(70.7%)、「責任感がない」(51.1%)、「職業に対する意識などの教育が必要」(42.6%)、「年齢相応の技能、知識がない」(38.1%)など、散々な結果だ。尚、全体の61.9%は、フリーター経験は評価にほとんど影響しないと答えている。実際に昨年1年間に実際にフリーターを正社員として採用した企業は11.8%。フリーターから正社員への転身の道は険しいのが現実だ。
フリーターは単なる雇用形態の一つ。企業として人件費削減及び調節弁として活用している割には、酷い評価だ。フリーターにも根気や責任感があり、社会常識やスキルを持つ人もいる。それを履歴書に書いても認めないなんて、自分勝手な話である。しかし、これも事実だ。よって、フリーターをモラトリアムで選ぶよりは、「不本意な新卒正社員」でモラトリアムしたほうが、先々のことを考えると賢明だ。
4-0「ニート」
独立行政法人労働政策研究・研修機構の小杉礼子さんはニートを4種類に類型化している。ヤンキー型:反社会的で享楽的。「今が楽しければいい」というタイプ
ひきこもり型:社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ
立ちすくみ型:就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ
いまさら言うまでも無く、ニートの期間は履歴書には何も書けない。フリーター期間を企業の三割が職歴として認めないなら、ニートから正社員への道は限りに無くゼロに近いだろう。やむを得ずフリーターへ一旦移行し、正社員を目指すことになる。ものすごく非効率だ。
「そんなこと、言われなくてもわかっているよ!」
そりゃそうだろう。でも、どんどん自らの就労の選択肢を狭めていくことは、悲しいことだけど、現実なのだ。
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