「キャリア」は、「昇進」「転職」だけじゃない
さて、みなさんは何番を選んだかな?1.職場・職業に関する立場の上昇。昇進・出世。憧れの対象。
うーむ。これは最近の終身雇用制の終焉に伴い、少し実情と合いません。リストラなどであなたの「キャリア」が左右されてしまうのは、たまらないしね。また、脱サラして自分の意志で新しく農業を始めた人は、「キャリアが下がった」のだろうか。きっと本人は「ドロップアウト」したとは思っていない。よって「キャリアアップ」という言葉を、単に「昇進」とイコールとは考えない方が良いでしょう。
2.仕事ができる。経験を積んで箔がつく。スキルがアップする。
これは1の現状を踏まえ、転職を視野にした個人の価値向上をメインにした考え方。資格取得や、留学、MBA取得、その他仕事に関わる専門知識や技術の習得も含まれます。参考までに、世界最大のヘッドハンティング会社の女性役員、橘・フクシマ・咲江さんがまとめた「売れる人材の要件」を見てみましょう。※出典:『売れる人材』(日経BP社)
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でも、この考え方は、あくまでも「転職に有利」「会社に必要とされる」人材。本人自身が転職を意識し努力するのであればよいですが、そこだけに重点を置くのは少し違うような気がするぞ。だって「キャリア」は会社のためのものじゃないから。そして「売れない人材」が必ずしも「キャリア」を持っていないとは限りませんから。
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というわけで、「キャリア」は、以下の二つがしっくりくるのです。
3.個人の生涯に通じた、職業選択に関する活動・心構え。
4.個人の生涯に通じた、仕事に関わる生き方のプロセス。
※次のページで、「キャリア」の意味を理解しよう!
※渡辺三枝子さん(筑波大教授)も『Works』(第41号/発行:リクルート)で「キャリア」についてこう語っています。
- 個人の生活全体の中における職業生活・職業行動
- 全人的発達の一部としてのキャリア行動
- 人が生きていくうえで大切にしている“work”をすべて含み、単に“昇進するキャリア”という意味ではありません。