52万人。厚生労働省が発表した2004年版労働経済の分析(労働経済白書)の中で記された、「15~34歳の未婚の若者で、仕事も通学もしていない無業者」の2003年での推計人数だ。フリーターは過去最多の217万人。合わせた269万人はこの世代全体の約8%にあたる。特に「若年無業者」は2002年より4万人も増えた。
また、文部科学省の学校基本調査によると、2003年度の大卒者(54.5万人)のうち、就職者数は約30万人(55%)、大学院等への進学者6.2万人(11.4%)、臨床研修医0.8万人(1.5%)、一時的な仕事に就いたもの2.5万人(4.6%)、そして「就職も進学もしていない者」12.3万人(22.5%)。この統計でいう「就職も進学もしていない者」には、留学生、大学に残った研究生、専門学校など職業訓練のための進学者、公務員などの試験準備中の者、家事手伝いなども含んでいるし、就職を希望したけれども就職できなかった者を含んでいる。ただ、「就職も進学もしていない者」が約10年で4倍近く伸びていること、そしてデフレと言えども2003年卒の大卒求人倍率は1.30倍であり決して1倍を割っていないことを考えると、自ら「無業」を選んだ学生が増えていると考えていいだろう。
この「無職で、かつ仕事を探そうともしない人」を、「ニート」と呼ぶ。もともと「ニート」とは「Not in Education, Employment, or Training」の頭文字をとった造語。直訳すれば「在学中でも雇われ中でも訓練中でもない」。イギリスで使われ始めた言葉だ。
さて、ニートに至らないためにはどうすればいいのだろうか。
今回はニート、そしてニートに至るプロセスの考察です!
<前編>
<後編>
※次のページで、「働く自分に対する自信の欠如」を考察する。
※今回は、大学新卒からニートに至るケースをテーマにしていています。大卒以外(中卒や高卒、そして一旦社会人になってから)でもニートになるケースはあります。
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