大学生の就職活動/就職活動での自己分析

就活生の自己分析は『希望の轍(わだち)』(3ページ目)

「自己分析」は過去の節目を意味づけること。「思い出」は遠く離れていくけど、意味づけできれば「轍」として見える。振り返れば「轍」があるから、自分の夢へと続く道の存在を信じることができる。

執筆者:見舘 好隆

「節目」における「選択パターン」を「後付け」することが、「自己分析」

恥ずかしながら、私の「轍」を披露します。「轍」は岐路に立った時にのみ「選択のパターン」を描きますので、私の「節目における選択」を書きます。
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  • 節目その1:大学1年生でクラブを選ぶとき
    私は、大学で教職過程を選びました。中学校の社会科の先生になるのが夢だったから。さて、クラブ・サークルはどうしようと悩みました。最初はラグビー部に入ろうと思いましたが(「ゆうひが丘の総理大臣」の影響で高校はラグビー部)、先生になるんだから人見知りの性格を直せる所に入ろうと思い直し、演劇部に入部しました。舞台慣れすれば、教壇でも緊張しないだろうと。本音を言えば、彼女が欲しかった私にとって、男しかいないラグビー部に冷めただけなのですが。
     
  • 節目その2:就職活動で会社を選ぶとき
    しかしながら教職をとるのに必要な単位を落とし、教職を取るための留年も家庭の事情でできず、卒業して就職することにしました。教職以外考えていなかったので頭の中は真っ白。さて、どうしたものかと悩みました。そして「まあ、答えは途中で思いつくだろう」と、片っ端にさまざまな業種の会社を受験し、結局、インド放浪の影響か、「海外で働きたい」「学生に夢を与える旅を作りたい」と思い、海外勤務があり学生旅行に強い会社を選びました。
     
  • 節目その3:仕事の壁にぶつかったとき
    「海外勤務」「学生旅行の企画」と夢を胸に旅行会社に入社したのですが、いきなり最初の配属は「人事」。物凄いショックでした。「こんなはずでは」とかなり落ち込み、それが元で彼女にもフラれました(配属が原因の全てとは言いませんが)。最初は地味に給与計算や社会保険事務をし、新卒採用を携わるようになって会社説明会の司会や面接をするようになり、「旅行会社を夢見る学生に、確かな現実を伝えつつ、我が社を選んでもらう作業も、悪くないな」と思うようになりました。
     
  • そして、この人事での経験が、就職本の執筆やAllAboutのガイドへと繋がっていきます。
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さて、皆さん、読んでみてどう思いましたか?「なるほど、見舘さんは首尾一貫して、学生に夢を与える選択をしてきたんだ」と思いましたか?

そんなことはありません。実はアンダーラインの部分、ここは「後付け」なのです。でも「こじつけ」ではない。演劇部も、旅行会社への就職も、人事部配属も、自分なりには納得している。

この「後付け」が、「自己分析」なのです。

「節目」いる頃の私に、「将来の自分」が見えるわけはありません。でも「将来の自分」は見えないけど、「過去の自分」は見えます。そして、「過去の自分」が「節目」でどんな選択をしたのかを考えることはできる。節目における「選択・意思決定」の「流れ・パターン」は、何となくわかるのです。この「後付けの作業」が「自己分析」。

そして、その「選択のパターン」を「根拠」に用いて、自分の夢への道筋を「予想する」「仮説を立てる」こと。それが現在のみなさんにおける就職活動の「意思決定」なのです。


※次のページで、「後付け」して「仮説を立てる」ことは、実はみなさん自身、いつもやっていることだと知ろう!
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