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『利益が出ているのに倒産』のナゼ その2(2ページ目)

前回に引き続き『黒字なのに、お金がない』原因を探っていきます。また、その対処法として何があるのかにもスルドく迫っていきます!そうそう、この状態を経理の世界では、何というかご存知ですか?

執筆者:森 康博

では、さっそく『黒字なのに、お金がない』状態から脱出するための方法をご紹介していきます。

格言その1 『回収は早く!支払は遅く!』

売掛金の回収上状況もチェックしましょう。
回収を早めたり、支払を遅らせる場合には注意点があります!
それは「相手に不安を与えないよう、予めちゃんと話を通しておくこと」です。
いきなり回収を早めたり支払いを遅くしては、「経営が危ないのでは?」と信用不安を招きかねません!
前回の記事でご紹介したのは、利益計上のタイミングとお金の回収のタイミングが異なるから、『黒字なのに、お金がない』という状況に陥る、ということでした。

売上の計上に比べて、お金の回収が遅れることが原因ですから、なるべく回収を早くすることが改善の第一歩です。「請求後翌々月入金」という約束でしたら、「請求後翌月入金」という約束に変えてもらうだけで、随分資金に余裕が出来てくるはず。手形の期日を早めてもらうというのも同じです。

逆の立場になって考えるとお分かりになるかと思いますが、支払のサイトを遅くする、というのも効果があります。
請求書が来たらすぐに支払っていたところを、請求書到着月の翌月末払いとするだけで、やはり資金に余裕が出てきます。

これらを同時に行うと、更なる効果が見込めるハズ。
これが格言その1『回収は早く!支払は遅く!』です。

格言その2 『在庫は必要最低限に!』

「棚卸資産の増加」というのも、お金は増えないのに利益を押し上げる原因となっていました。

期末の棚卸資産が増えれば増えるほど利益も増えますが、その分購入に充てる「お金」も減っていくわけです。
在庫が増えれば急な注文にも応えることができ安心できる、といった長所もありますが、逆に在庫を持ちすぎることによって、売れ残ってしまったり、陳腐化(時代おくれ)になってしまったりして棚卸資産の価値の低下を招く、というリスクも増加していきます。

在庫の管理を強化して、なるべく余分なモノは買わないで済む体制づくりが必要となります。
これが格言その2『在庫は必要最低限に!』です。

次ページは引き続き『格言その3』をご紹介していきます。
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