更なる原因を追究しつつ、その対処法をご紹介していきます!
原因は『貸借対照表』に隠れている!
『お金がない』というところに着目してみましょう。『お金がなくなる取引』というと、通常『費用の支払』を思い浮かべがちですが、その他に『資産(モノ)の購入』、そして『負債の支払』の2つの取引があったはず。
じつは、これら2つの取引に原因がある場合があるのです。
■『資産(モノ)の購入』
この取引は『お金』という資産が減少し、『棚卸資産』などの同額の資産が増加する取引のことです。同額の資産どうしが入れ替わるだけですから、儲けも損もないはずです。ですが……
在庫が多いと利益も増加しますので、なんだか良いことづくめのような気がしますが……。 在庫の増減には、敏感になっておきましょう。 |
●棚卸資産の増加
売上原価は「期首棚卸資産+当期仕入高-期末棚卸資産」という算式から求められます。
実際に数字を当てはめてみれば分かりますが、「期首棚卸資産」に比べて「期末棚卸資産」が多くなればなるほど、売上原価が少なくなりますから、その原価が減った分だけ利益が増加することになります。
しかしながら「棚卸資産」は売れて初めて「お金」に化けるもの。入金はないのに利益だけが増えるのですから『黒字なのに、お金がない』という状態に陥ることになります。
●固定資産の増加
みなさんご存知のとおり、「固定資産」は購入と同時に経費にできるわけではなく、耐用年数にわたって少しずつしか経費にしていくことができません。
固定資産を購入するにあたって「お金」が減少したのに、それに比べて「経費」と出来る金額が少ない(=利益が増える)のですから、やはり『黒字なのに、お金がない』という状態に陥ることになります。
■『負債の支払』
●借入金の返済
金融機関などから借入をした場合、当然、返済をすることになります。
返済にあたっては「利息」と「元本」相当の「お金」を支払いますが、「利息」は「費用」となるものの「元本」については、借りたものを返すだけですから「費用」となることはありません。
元本相当のお金が減るのに、費用とならないのですから、結果として『黒字なのに、お金がない』という状態に陥ることになります。