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『消費税の処理』税抜き?税込み? その1(2ページ目)

日々の経理の仕事の中で、必ず絡んでくる「消費税」の処理。あなたの会社は消費税について「税込経理」と「税抜経理」どちらを採用していますか?今回は、消費税の経理方法についてご紹介します。

執筆者:森 康博


『税込経理』とは?

まずは、『税込経理』について、簡単に整理することにしましょう。

■意義

これは、取引するたびに生じてくる消費税の額を本体価格と区別しないで経理処理する方法です。

■日常の仕訳

『本体価格 100円 消費税額 5円』の消耗品を現金で購入した場合、
(借)消耗品費 105円 (貸)現金 105円
という仕訳を切ることになります。

また、『本体価格 500円 消費税額 25円』の商品を現金で販売した場合、
(借)現金 525円 (貸)売上高 525円
という仕訳を切ることになります。

特に消費税のことを意識しない、普段から見慣れた経理処理ですよね。

■決算仕訳

決算期を迎え、その期の消費税額が確定した場合の消費税の経理方法は原則と特例の2つの方法があります。
  • 原則 実際に消費税を支払った、または還付金の入金があった時に「租税公課」または「雑収入」として経理処理する方法。
  • 特例 決算時に「未払消費税等」または「未収還付消費税等」として経理処理する方法。
税務には「原則」と「特例」があることが多々ありますが、往々にして「特例」のほうが私たち「納税者」にとって有利となる場合が多いと言われています。

どうしよう
二つ以上の処理が認められているものについては、冷静にどちらが有利か判断する必要があります。
今回の場合は、どうでしょうか?
税務署(国)としては、実際に税金を支払ってもらうまでは経費としてもらいたくない、という原則に対し、実際に支払う前でも「支払わないといけない」という債務としてきちんと会社が経理した場合には、これを認めてあげます、というのが特例です。

法人税等の節税面から考えると、消費税を納税することとなった場合には、経費を先取りできる「特例」のほうが有利です。
また、発生した期に、発生した費用(税金)や収益(還付金)を計上できるということを考えると、「期間損益の計算」も正確に出来ますから、「税」という視点から離れた「会計」という側面から見ても、「特例」のほうが良いと考えられます。

つづいて、『税抜経理』についてご紹介します!
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