税金の決め方は2つある!
先ほど、固定資産税など都道府県が税額を決めて支払う税金のことをご紹介しましたが、このように国や税務署が税額を決めることによって、税額が確定する制度を『賦課課税制度』と言います。賦課課税制度は太古の昔から現在まで存在し続けている制度ですが、税の決め方にはもう一つ主だったものがあります。
それは『申告納税制度』と呼ばれるものです。
この『申告納税制度』は、納税義務者自らが納税すべき税金を計算し、申告することにより納税額が確定するという制度で、所得税に法人税、消費税に相続税など、国税のほぼすべてと、法人住民税や事業税などの地方税が、このしくみにより税額が確定します。
この『申告納税制度』に基づいて所得税などの納税額を確定させる行為、それがみなさんがこれから行う『確定申告』なのです。
『申告納税制度』の導入は、戦後の日本国憲法で『納税の義務』が国民の三大義務の一つとして制定されたことが、導入の契機の一つと言われています。
憲法により『納税は国民の義務』と明記されたわけですが、義務として納税された税金はまわり回って国民のために使われるもの。
せっかく民主化したのだから、国民に財政に興味を持ってもらい、積極的に税制に参加してもらおう!ということで、この『申告納税制度』が導入されたのです。
『確定申告』で『税』に親しもう!
年に一度の確定申告。 税について、たまにはみんなで考えることも大切なことですよね。 |
「『申告納税制度』なんかじゃなかったら、もっと楽チンだったのに!」という考え方もできるでしょう。
でも、納税の仕組みが『申告納税制度』でなければ、あなたに対する税金がどのような経緯で計算され、納税することになったのか明確に分からないのではないでしょうか?
「まあ、いいからとにかく税金払って!」と言われて、納得が行きますか?
『確定申告』は私たちが税金の仕組みをを正しく理解する良いチャンス。
ニュースを見聞して世の中のことを考えることもとても大切なことですが、自分で自分の税金を実際に計算してみると、国や地方公共団体、あるいは世の中に対する自分なりの意見がより具体的に見えてくるはずです。
私たちが『確定申告』が出来るということは、税制に民主的な要素があるからこそ。そう思うと『確定申告』がとても大切なものに感じられてきませんか?