「横領」の起こりづらい仕組みづくりを
会社の人々が安心して仕事に集中できるような仕組み作りをするのも、経理の仕事のひとつです。 |
「賞与」として源泉税を取ったり、長期間かけて回収したり、あきらめるにしても損失計上のタイミングに気を遣ったり……。横領されてしまった被害者だというのに、大変な苦労や時間のロスを強いられてしまいます。
しかし、横領されてしまった会社はそうとばかりは言っていられません。
「横領」は、会社の財産だけではなく「社会的信用」も失ってしまうからです。
「横領」が発生してしまうということは、会社の仕組みに横領を許す余地があったからともいえます。
株主から預かったお金を運用していくのが会社の基本的な仕組みですから、何の手を打たずに横領を許してしまった場合、経営者がその責任を株主に問われても仕方がありません。
また、株式を上場していない企業でも、取引先や銀行に「いい加減な会社」と思われては、その後の経営に大きな影響を与えることになるでしょう。
もちろん、100%横領を防ぐ仕組みづくりをするのは不可能かもしれませんが、横領を極力防ぎ、たとえ横領が発生してしまったとしても、早期に被害額が少ない時点でこれを認識するように出来る仕組みづくりが会社には求められるのです。
【関連リンク】
・「さよなら、現金 INDEX」
舛添厚生労働相は年金保険料の窓口徴収廃止を検討しているようですが、「現金をなるべく扱わない」というのは横領防止策としてはキホンだったりします。
シリーズ記事の、INDEXです。
・「日本版SOX法」って、何だ?
こちらでは企業内部の仕組みづくりのきまり「日本版SOX法」について、簡単にご紹介しています。