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「日本版SOX法」って、何だ?(2ページ目)

「日本版SOX法」って、ご存知ですか?最近テレビCM等でも耳にする機会が多くなってきたこの法律、じきに企業にお勤めのみなさんにも関係してくることになりそうです。今のうちに概要を確認しておきましょう。

執筆者:森 康博

では、「内部統制」とは?

考える
なぜ今「内部統制」が求められるのか?その理由を理解しておかないと、仕組みの導入がうまくいかなくなってしまいます。

証券市場を信頼してもらうために「内部統制」が必要ということですが、いきなり「内部統制」といわれても「???」という感じになってしまうかと思います。でも、順序だてて考えていくとなぜ「内部統制」が必要とされるのか。その理由が見えてくることでしょう。
  1. 証券市場の信頼が失われたのは何故か?
  2. それは、投資の重要な要素である会計処理・決算書等で重大な不正があったから。
  3. では、会計で不正が発生しないようにするためにはどうしたらよいか?
  4. 会社自らが不正が起こりにくい会計の仕組みを作り、チェックするようにしてみたらいいのでは?
と、こんな感じでしょうか。上記4.を「内部統制」といいますが、実務では
  1. まず、企業内部で不正が起こらない仕組みを作る。
  2. その作った仕組みがうまく機能しているか経営者自らが評価し、その内容を「内部統制報告書」にまとめて公開する。
  3. さらに公認会計士等が上記2.の「内部統制報告書」が適正であるかどうかをチェックして報告する
といった3段階になるようです。「経営者も公認会計士も大変そうだなー」なんて他人事のアナタ。大変なのは、アナタも同じです。みなさんも企業で働くかぎり、その一員として仕事をしているはず。つまり、社内で一定の役割をこなしているわけで、「仕組みづくり」や「運営」で内部統制と関わっていかなければなりません。

内部統制担当の人に「あなたは普段、どのようにこの仕事を処理していますか?」と聞かれたら「忙しいから、他あたって!」なんて言わずに「こうしています」と協力し、また、実際に決まりが出来たら誠実に従う必要があるということです。

対象となる企業は?


「日本版SOX法」、聞けば聞くほど厄介そうな法律のような気がしてきましたが、それでは対象となる企業はどのような企業でしょうか?その企業はズバリ「上場企業」です。

ただし、近年は企業の状況をその企業グループ単位で判断するようになってきています。企業グループの状況を把握する仕組みを「連結(会計)」なんて言いますが、たとえ「上場企業」に該当しない企業でも、上場企業の連結対象になる会社や、上場企業グループに重要な影響を及ぼすと考えられる関連会社や取引先もその対象となってきます。

「もしかしたらウチ、SOX法対象になるのかな?」といった心当たりのある非上場企業の方は、親会社等に確認を取ってみるとよいでしょう。

最後に、「日本版SOX法」への対対処法についてまとめます。
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