あなたの「交際費の常識」は?
「チェック?楽勝ッスよ!」さあ、あなたもチェックしてみてください。 |
Aさんが言っていた「5,000円」というのは、きっと平成18年4月から適用されることとなった新しい決まりのことでしょう。
これは「一人当たり5,000円以下の飲食費(社内飲食費を除く※)については、相手先の名前等を書いた一定の書類を保存することを条件に、交際費としないでいいです」というもの。
今回の場合「5,000円」という言葉が独り歩きして、「飲食費」という部分を考慮することが抜けてしまっていたのです。あくまでもお歳暮は「おくりもの(贈答)」。つまり、飲食ではありませんから、税務上は金額に関係なく交際費に該当することとなるのです。
Aさんは間違えてしまいましたが、あなたの「交際費」についての認識はいかがでしょうか?例を挙げてみますので、ご自分で少し考えてみてください。
【交際費の認識度チェック】
- 「交際費」という勘定科目で経理処理したものだけが税務上も交際費として取扱われる。
- 社内みんなでやった忘年会。一人当たり5,000円を超えたら即交際費となる。
- 1,000円くらいの少額な手土産でも交際費となる。
- 飲食費が一人当たり5,500円になったので、5,000円を超える500円だけ交際費とした。
- × 勘定科目に関係なく、支出の内容で交際費を判断します。
- × 社内で行う忘年会等は通常のものであれば、福利厚生費です。ただし、調子に乗ってあまりに豪華にすると交際費や給与となる場合もあります。
- ○ お歳暮と同じで「得意先への贈答」ですから交際費となります。金額の多少は関係ありません。
- × 飲食費が一人当たり5,000円を超えた場合、その全額(今回は5,500円)が交際費となります。
「税務上の交際費」とは?
チェックの結果はいかがでしたか?「けっこう面倒だなー」とお考えの方も多いのではないでしょうか。税務上の交際費の定義は前のページに書いたとおりですが、文章がシンプルすぎるのか、実際に「この場合は?」と考えると立場によってどのようにでも解釈できる余地があります。
そんなわけで取引ごとに細かい取り扱いがたくさん通達で定められるようになったのです。
この記事をご覧の方は税務の専門家という方はあまりいらっしゃらないでしょうから、仕事上、その取り扱いの全てを抑える必要はありません。まず、取引があったら「税務上の交際費の定義」に当てはまるかどうか考えてみて「アヤシイな」と思ったら顧問税理士に確認して覚えていく、そうしていけば良いのではないかと思います。
ただし、大きな出費となる場合は、あらかじめ確認しておかないとAさんのようになってしまうかもしれませんので、ご注意のほどを。
※ 「社内交際費」とは社内の人々(役員や従業員及びこれらの人の親族)を接待等するための支出のことを言います。