現金の「こわい」ハナシ
「きっとオレ、疑われているな……」現金が合わないと、このような不幸を招くことも。 |
現金は「誰でもすぐに使えて」、「持ち運びやすくて」、「履歴が残りにくい」。それって実は「こわい」ことでもあるのです。
■現金の「こわい」点
●紛失・間違えが起こりやすく、その原因をたどりづらい
現金は小さいので紛失する危険性が高く、また代金の支払い間違えやお釣りの取り間違えをしても、気をつけていないとその場で気付くことが少ないのではないでしょうか。
紛失や間違いが起きたとしても、履歴が残りづらいという特徴がありますから、その場で気付けないと一体その原因がどこにあったのか突き止めるのが大変です。領収証をもらえる出金であれば、気付くことが出来るかもしれませんが、多く支払いすぎて、自分も相手も気付かない場合などは、原因の究明は困難を極めることでしょう。
●犯罪の温床になりやすい
現金が会社にあると、対外的にも内部的にも犯罪が起こる可能性が高まります。
対外的に言えば、「盗難」の危険性。コンビニやスーパーなどの小売店での強盗のニュースは最近よく耳にするところですが、小売店以外の事務所でも金庫が狙われたりすることがあります。内部的なものとしては「横領」や「裏金作り」の温床になりやすい、ということです。横領の場合は、現金を紛失したことにしたり、実際には請求のない経費を現金から支払うことによりなされる場合が多いようですし、また、今某県で話題になっている裏金作りも同様の手口で行われていたのかもしれません。
預金口座を通じての取引であれば、通帳に履歴が残りますから比較的これらの内部的な犯罪は発覚しやすいのですが、現金を通してしまうと発覚が遅れて気付いたときにはもはや手遅れ、ということが多々あります。
●社内不和や不要な犯罪を誘発する原因となる
たとえば、その日の小口現金が合わなかったとしましょう。どんなに調べてもその原因が分かりません。そうすると、疑われるのはその日小口現金を扱った人々です。社内の同僚を疑うのはとても嫌なことですし、仮に疑わなかったとしても、小口現金を扱った人はきっと「私、疑われている……」と嫌な気持ちになってしまうことでしょう。これでは、社内がギスギスして、仕事どころではなくなってしまいますね。
また、どうしても緊急にお金が欲しいとき、目の前にお金が置いてあったとしたらどうでしょうか?
決して犯罪を犯す人を擁護するわけではありませんが、普段はしっかりとしている人でも、心が弱くなっているときは目の前にあるがゆえ、そのお金に手をつけてしまうかもしれません。
現金は便利で取り扱いも簡単ですが、その特性ゆえにいろいろな危険を孕んでいる存在でもあるのです。
現金との付き合いかた
これから一緒に、会社のお金との付き合いかたを考えていきましょう! |
こう現金についてネガティブなことばかり書いていると、もう会社の現金を触るのが嫌になってしまうかもしれませんね。
しかしながら営業で経費仮払金をもらう人も、「経理の仕事」をする人も、これからも「会社のお金」と付き合っていかないといけないことは確かなことです。
今回は、現金の特徴とその特徴から来る危険性を充分認識していただいたと思います。
しかし、現金と上手に付き合うことができれば、「経理の仕事」をするみなさんのスキルアップはもちろん、経費精算等に関連する営業等の仕事をする方々のスキルアップにも役立つのです。
「上手な付き合いかた」は次回以降ご紹介します。どうぞ、お楽しみに!
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