泥沼化した買収劇
その後も、あいつぐ買収提案をピープルソフト側は拒否続け(5回も拒否)、買収は揉めに揉めて、異例の長期戦になりました。オラクル、ピープルソフトお互いに訴訟を起こして、もはや泥沼化していたのですが……。この泥沼の間に、シェア2位のピープルソフトは、4位のJDエドワーズを買収してしまします。これで、オラクルとの合併が実現すれば、ERP業界は一気に再編が進みます。オラクルは11月に一株あたり24ドルという買収価格を「最終提案」として株主に提示し、この価格でオラクルに株を売却するよう、株主に提案していました。この提案の結果、6割の株主が売却の意向を示したといいます。
最後の最後まで揉めたのが「適性価格」でした。ピープルソフトの取締役会としては、24ドルという価格は「企業の実態価値より低い価格で不当」と表明し、上乗せがない限り拒否する姿勢をみせました。最終的には、オラクル側が26.50ドル、総額103億ドルという額を提示し、ピープルソフト側もこれに了承しました。
これで、シェア1位のSAP、シェア2位のオラクル(ピープルソフト+JDエドワーズ)という2強が争う業界構造になりました。もちろんSAPの圧倒的な強さは変わっていないのですが、追撃態勢がととのったということになるでしょうか。
さらに、BAANは、2003年末に、SAAグローバルに買収され、日本においてもSAAグローバルとして、ブランド名を統一しました。
ところで、ERP、ERPといいますが、なぜ、ERPがコンサルティングと関係あるのか、そもそもERPって何?というレベルでの質問をよく受けます。次回は、基本に立ち返って、ERPについて、すこしお話ししようと思います。