住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅ローン減税「適用選択」を選ぶ基準は?

マイホーム取得者の関心の高い「住宅ローン減税」。07年度の税制改正で、従来の制度と新制度の“選択適用”が決まりました。はたしてどちらが有利になるのか?判断基準を探ってみました。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


安倍新総理になって最初の税制改正となった07年度税制改正。昨年12月14日に与党税制改正大綱が決定し、今通常国会を通過後、正式にスタートすることとなります(07年2月7日現在)。

全体を見ると、減価償却制度の見直しなど「企業減税」が優先されたような印象ですが、不動産に関連した改正もいくつか含まれており、その中で、マイホームを取得して住宅ローンを組んだ方にとっては、「住宅ローン減税」の改正内容が気になるところでしょう。そこで今回は、“選択適用”となった住宅ローン減税の改正内容、ならびに、どちらを選ぶのが有利なのか、いくつかのケースを紹介したいと思います。

どちらか有利な方を選べるようになる


まずは、07年度の改正内容から見ていきましょう。日本経済は、ようやくバブル崩壊経済に終止符を打てる程度まで企業が業績を回復し、「踊り場」から脱却できるまでに体力を取り戻しました。ところが一方では、少子・高齢化が進み、また、所得や地域などによる格差が広がりをみせるなど課題も山積しており、「成長重視」をかかげる安倍政権にとっては中小企業や地域産業の発展あるいは活性化が至上命題となっていました。

その結果、企業を優先した改正内容となってしまい、我々、国民(家計)に対する個人向け税制改正は小規模にとどまりました。「景気回復に対する実感が乏しい」との声も多く聞かれますが、企業業績の改善を最優先に、次いで、国民生活への配慮といった政策を取った結果なのです。あとは、こうしたシナリオ(政策)が“机上の空論”で終わらないことを願うばかりです。

さて、本題に話を進めますと、新税制の特徴は2004年度税制改正で決まった従来の住宅ローン減税制度(【図表1】)と併存して、新たな住宅ローン減税制度(【図表2】)を創設した点にあります。国から地方への税源移譲に伴い、所得税と個人住民税の負担割合が変更になることに配慮し、入居年によってローン減税(還付額)に不公平が生じないよう、新旧どちらかを選べるようになりました。

【図表1】従来の住宅ローン減税制度 (04年度税制改正)
1~6年目:1.0%7~10年目:0.5%1~6年目:1.0%7~10年目:0.5%

【図表2】創設された住宅ローン減税制度 (07年度税制改正)
1~10年目:0.6%11~15年目:0.4%1~10年目:0.6%11~15年目:0.4%

 次のページへ続きます。
居住年控除期間借入金の年末残高最大控除額適用年・控除率
2007年10年間2500万円以下の部分200万円2008年10年間2000万円以下の部分160万円
居住年控除期間借入金の年末残高最大控除額適用年・控除率
2007年15年間2500万円以下の部分200万円2008年15年間2000万円以下の部分160万円
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます