シリーズでお伝えしている「住宅ローン減税」の確定申告方法ノウハウ集。今回は、誰もが陥りやすい失敗を想定し、Q&A形式にまとめてみました。ローンを2本以上組んでいる場合と、合計所得が3000万円を超えてしまった年の取り扱いについての注意点です。

今回、初めて確定申告する方、あるいは、すでに住宅ローン減税の適用を受けている方も、必ずや、お役に立つこと請け合いです。


「住宅ローン減税」確定申告の手引き/Q&A集
<Q1> 住宅ローンを2本以上組んでいる場合の注意点


本来、住宅ローンはマイホームに対する融資のため、1つのマイホームに対して組める住宅ローンは1本というのが原則です。しかし、公的融資と民間融資などを組み合わせる場合には、2本以上のローンを組むことが可能となっています。

たとえば「フラット35と銀行住宅ローン」「フラット35と財形住宅融資」「民間住宅ローンと社内融資」などのバリエーションが、そうです。07年3月末で住宅金融公庫が廃止されて以来、「公的融資」という表現(カテゴリー分け)は見る機会が減りましたが、現在はフラット35が「準・公的融資」としての役割を果たしていることで、2本以上のローンが組めるようになっています。

さて、このように2本以上の住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン減税はどうなるのでしょうか? 基本的な考え方は、1本1本の住宅ローンが“それぞれ”適用条件に当てはまっているかどうかによって、所得税還付が受けられるか否かが決まります。具体例で見てみましょう。たとえば、

 ・フラット35(金利:3%  30年返済)
 ・民間住宅ローン(金利:当初5年固定 2.3%  30年返済)

であれば、両方とも適用条件に当てはまっているため、どちらのローンも控除対象となります。ところが、
 
 ・フラット35(金利:3%  30年返済)
 ・民間住宅ローン(金利:5年固定 2.3%  5年返済

となると、「償還期間が10年以上の借入金を有すること」という条件に合致しなくなるため、民間住宅ローンは住宅ローン減税の対象外となります。よって、このケースでは「フラット35に対する残高部分」しか還付額計算の対象になりません。


さらに、陥りやすい失敗例として、勤務先からの融資も要注意です。社内融資を受けた場合、その利息が無利子または1%に満たない利率だと、住宅ローン減税が一切、受けられない決まりです。従って、以下のような組み合わせで住宅ローンを組んでも、減税対象となるのは“民間住宅ローンのみ”となります。

 ・民間住宅ローン(金利:当初5年固定 2.3%  30年返済)
 ・社内融資 (金利 0.5%の完全固定  30年返済)


<A1> 1本1本の住宅ローンが“それぞれ”適用条件に当てはまっているかどうかによって、所得税還付が受けられるか否かが決まる。

  • 償還期間が10年以上の借入金であること
  • 社内融資を受けた場合、その利息が無利子または1%に満たない利率だと、住宅ローン減税は一切、受けられなくな


続いて、次ページでは「合計所得が3000万円を超えた年」の取り扱いについてご紹介します。