女性の転職/女性の仕事カタログ

心も磨く「メイクアップ講師」(2ページ目)

女性をより輝かせる「メイク」のプロ、メイクアップの講師。今回は、某企業勤務後、メイクのプロとなり活躍中の女性をご紹介します。

執筆者:三輪 貴子

「メイクは、家の中の自分と、外の自分を切り替えてくれるアイテムだと思います」岡田さん

自分がその仕事で何を求められているのか ~必要なスキルなど~

メイクアップの仕事は、明確に仕事内容がわかる職業ではありません。必ず取得しなければならない資格もありませんので、「メイクアップアーティストです」と言えば、今からでも、誰でもなれます。だからこそ、期待に応える仕事をするためには、常に自分は見られているという意識を持つことが大切ですし、自分がその仕事で何を求められているのかをよく考えることも重要ですね。

メイクアップの仕事をするために、あるとよいスキルは「色の知識」と「医学的知識」。色の知識は持っていたほうがいいことは、なんとなくお分かりいただけるのではないかと思います。2つ目の「医学知識」は、私たちの体の仕組みを知っておくと「なぜ」というところまで掘り下げて、考えることができるのです。例えば、ビタミンCはお肌にいいといわれていますが、私たちの肌は、もちろんビタミンCでできているわけではありません。では、なぜビタミンCが肌にいいのかも含めてレッスンや講演会などでお話をすると、より理解を深めていただくことができ、間違ったお手入れなどを防いでくれる可能性もあります。洋服等とはちがい、メイクアップは体に直接関係してきますのでトラブルがあっては大変です。テクニックだけではなく、健康を常に意識しながら仕事をするためにも、「医学的知識」は持っていたほうがよいのではないかと思います。

毎日自宅で欠かさず腹筋を・・・ ~失敗談など~

メイクアップの仕事をはじめてから、「思っていた以上に体力が必要」ということに驚きました。メイク道具は暑さや衝撃に弱いため宅配などができません。ですから、講演会やセミナーのときは、すべて自分で運んでいます。内容によっては、メイク道具だけでなくパネルや資料が必要になることもあり、大荷物になることも多々ありますね。それにヒールの高い靴が多いので、メイクの際、腰をかがめる姿勢を長時間とることも。腰を痛めては大変だと思い、腹筋だけは毎日自宅で欠かさずやっています。(笑)

もちろん失敗もたくさんあります(笑)。一番焦った時は、初めての講演会直前の控え室で、メイク道具が何も残っていなかったこと。舞台上でメイクのデモンストレーションの予定だったので、メイク道具一式を壇上へ置いてきてしまい、最後に少しお化粧直しを…というときに、手元にメイク道具が1つもなかったのです。ちょうど会場に来ていた母を呼び、メイク道具をかりたこともありましたね。

感動する心を忘れずに ~将来性~

全国のデパートどこへいっても、ほとんど1階には化粧品売り場があり、つまり女性の美に対する意識が高いということだと感じています。これからは、たくさんの情報や商品の中から、「自分は何を選ぶべきなのか」そして最終的には「どういう女性になりたいのか」という基軸をしっかり持つことが大切だと思っています。メイクアップを通じてお一人お一人の目標をサポートしていくことも、仕事のひとつになるのではないでしょうか。また、現在でも男性用化粧品や子供向けの製品も発売されているように、これからは高齢者の方むけのメイクアップや医療用メイクなど分野は拡がりつつ、且つ細分化されてくると思います。自分自身をしっかり持って得意とする分野とうまく融合すれば、将来的には新しいメイクの世界を切り開く方もたくさん出てくるのではないでしょうか。

これからメイクアップアーティストを目指す方には、ぜひ美しいものを見る経験を増やし、感動する心を大切にしていただければと思います。感動が感性につながり、その感性が、いつか仕事に繋がれば、最高ですね。

【編集後記】
お話をさせていただいた岡田さんは、言葉の選び方や仕事に対する姿勢など、「ご自身ときちんと向き合い、丁寧にすごしていらっしゃる」印象を強く受けました。女性がお手本にしたい、ステキな女性ですね。これから、ますますのご活躍を期待しています。
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