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有給休暇、取れてますか?(その1) 年次有給休暇の基礎知識(2ページ目)

年次有給休暇は、働く者の当然の権利。しかし、その消化率は年々減少しているのが現状です。どうすれば年休を取れるのか。法的側面から勉強しましょう。

執筆者:西村 吉郎

留意点
●年次有給休暇は労働者が自由に取得する日を決め、請求することができますが、使用者がその時季に休暇を与えると事業の正常な運営が妨げられると判断したときは、労働者に取得時季を変更するよう求めることができることになっています。これを使用者の「時季変更権」といいます。


●年次有給休暇は原則として午前0時から午後12時までの暦日で与えなければなりませんが、労働者が半日の年休取得を希望して時季を指定し、これに使用者が同意すれば、半日単位での年休を与えることもできます。ただし、「1日休まれると困るから半日だけ」というように、本来の年休を取得することが阻害される場合を除き、適切に運用される限りにおいて認められるものです。


●全労働日の8割以上出勤したかどうかを計算する場合において、前年度の年休を取って休んだ日、業務上の傷病により療養のために休業した期間、育児・介護休業法に基づいて育児もしくは介護休業をした期間、産前産後のために休業した期間は出勤したものとして取り扱わなければなりません。


●会社指定の休日、傷病療養のための休職期間、あるいは会社事情による休業期間中など労働義務のない日については、年休を取得する余地はありません。


●年次有給休暇の買い上げを予約し、これに基づいて取得できるはずの年休日数を減らしたり、年休を与えないとすることはできません。これに対して、労働者が年休を行使せず、その後時効、退職などによってこれが消滅する場合には、残日数に応じて金銭を給付することは可能です。ただ、年休の趣旨からいうと決して好ましいものではありません。


●年次有給休暇の時効は2年です。今年度に消化せずに残った年休は、次年度にまで持ち越すことができます。最長20日の年休を請求する権利を持った人が1年間1日も年休を取得せず持ち越したとすると、新たに発生する20日分と合わせて、向こう1年間に40日の年休を取得することができることになります。





パートタイム労働者等に対する比例付与

労働基準法でいう労働者とは、正社員、契約社員、嘱託、アルバイト、派遣社員、パートタイムなど社内における身分に関係なく、雇用されて働く人すべてを指します。アルバイトや派遣社員でも、最低でも6カ月間継続勤務すれば自動的に年休が与えられることになるのです。

ただ、通常の労働者よりも所定労働日数が少ない労働者は、1週の所定労働日数や1年間の所定労働日数に応じて、取得できる年休の日数は最低1日から最高7日までとなっています。

ここでいう所定労働日数が少ない労働者とは、「週で所定労働日数を定めている場合には、所定労働日数が4日以下」または「週以外の期間で所定労働日数を定めている場合で年間所定労働日数が216日以下」の労働者で、かつ、1週当たりの労働時間が30時間に満たない人を指します。出勤日数が少なくても、週に30時間以上勤務する人は通常の労働者と同じ扱いになります。
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