転職のノウハウ/転職活動の応募のコツ

不況でも面接したいと思わせる職務経歴書

不況で採用を控えている企業でも、優秀な即戦力であればほしいという声が聞かれます。不況でも採用したいと企業に思わせる、職務経歴書のポイントをお伝えします。

執筆者:高野 秀敏

書類選考で落とされないような職務経歴書を!
書類選考で落とされないような職務経歴書を!
不景気のなかで転職活動をしている方と、毎日多数お会いしております。ゆとりのある方もいますが、焦って活動している方も見受けられます。

一方で、数多くの企業に訪問していると、優秀な即戦力人材を欲しいというニーズは変わらず現在もあります。リストラを行っている会社でも、影でこっそりと採用活動をしている場合があります。苦しい昨今だからこそ、即戦力人材やマネジメント人材が欲しいのです。

ここ最近で、採用に関わっている方の声を、いくつかご紹介します。

最近の採用の状況は?

■中堅、サービス業、人事部長
以前は200人ぐらいしか応募がなかったのに、今回は求人媒体に求人広告を出したら1000人以上応募がある。正直驚いている。今は良い人材が採用できる時期だと考えていて、優秀な人材を多くの母集団から見つけ口説いている段階。あまり良い人材は来ない。

転職回数が多い方が増えた。20代で3社以上転職している方は、よほど特別な才能が見出せない限り書類審査でNGにしている。うちの会社に来て、すぐに辞められると困るから。

■IT系 経営幹部
応募数はとても多いが、打率というのか、自社に合う人材は前よりも応募がなくなったように感じる。実際、面接からの内定率が半分以下に下がっている。人事面接に多くの時間を割かれているわりに成果(内定、入社)につながらない。エージェント(人材会社)からの採用は、面接通過率の低い会社はお断りしている。それぐらい面接を受けに来ている。

職務経歴書を見ていると、倒産と書いてあるものが増えた。当社は倒産についてはマイナスに考えない。しかし、会ってみるとモチベーションが下がっており、企業依存型とでもいうのか、自分で何とかしようと思う人が減っているのが気になる。職務経歴書は基本的なことだが、誤字脱字のある方、改行などに間違いがある方は、基本的なことができない人ということで落としている。

■医療、介護関連の人材系企業 人事
同業のエントリーが増えた。一方で仕事の成果が出ていない人が多く、採用にはなかなかいたらない。離職している人も以前よりも2倍ぐらい増えた。職務経歴を見ていて、人材業界が盛り上がってきたからなんとなく転職し、不景気になったから辞めることになったと読んだだけで感じる一貫した考えのないキャリアを歩んできた人が多い。

どんなポリシーで転職されたのかイメージできない方は書類で落としている。また、最近3年で3回転職した人にも会ってみたが、やはりこらえ性がないとでもいうのか採用し難い人材であった。1社では2年は勤めていて欲しい。

■コンサルティング業界 人事
同業のディレクター、パートナークラスの人材が自社HPからエントリーがきて驚いている。以前であれば、なかなかスカウトをしないとこなかったゾーンの人材。転職を決めているとは限らないが、情報を優秀な人材の方が集めていることは事実。当社の場合、競合か大手企業の経営企画、事業企画にいる方しか採用しない。

職務経歴書はきちんと書いてもらえればそれでよい。欲しい人材は職務経歴書の段階では決まっているので、あとはそこをクリアした人だけを面接している。2年前まではポテンシャル採用もやっていたが、昨今景気も悪く控えている。

次ページでは、不況でも面接したいと思われる職務経歴書のポイントをお伝えします。
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