最近は景気がよくないと言われています。帝国データバンクによると、6月に30億円以上の負債を抱えて倒産した企業は、19件とのこと。
参考データ「帝国データバンク 大型倒産速報」>>
実際、この一年でいえば、独立系だった企業が、大きな企業の傘下に入ったり、株式上場が見えにくくなり、会社を売却したりということが起きています。
現在でも、人気企業は、大手がずらり
やはり、人気があるのは、有名企業や大手一流企業。 |
参考データ「日経ナビ『人気企業ランキング』」
日経ナビによる就職人気企業ランキングをみると大手企業の名前がずらりと連なっています。また、いま就職や転職活動をしているような、20代、30代の世代の親からみれば、公務員や大手企業に就職することこそが、将来の、約束された安定の道を歩めるということが、もっとも良いとされていたことだと思います。
そこで、不況の今こそ注目したいのが、ベンチャーへの転職。
まずは、今日までにベンチャー企業がどのようにして発展(あるいは衰退)してきたのか、大まかな流れを見てみましょう。
まず、ベンチャーといえば、99年から2000年頃にバブルがあり、多くの企業が上場したマザーズでは、赤字でも上場できた時代がありました。それこそ、ベンチャーバブルにのった人たちが数多くいたものです。そういう私も、決してバブルだったということではないですが、当時、インテリジェンスという会社におり、上場の2年前に入社をしていました。当時上場前から持ち株会があったため、消費者金融にお金を借りにいってまで、自社株を購入した忘れもしない出来事です。
その後会社は上場し、株価も急上昇しました。しかし、2002年以降、一気に下落し、ベンチャー系の企業の倒産や売却が相次ぎました。当時の私がいた会社も同じ。そのころは、ベンチャー業界を去っていった人も増えていました。そして大手企業の人気が復権したわけです。同じようなことが、2005年から2006年のあたりまであり、第二次ネットバブルともいうべき、盛り上がりを見せました。
この時期に上場した社長や若手幹部のキャリアをいろいろとみてみると、第一次ネットバブル(99年~2000年頃)に、転職や新卒でベンチャーに入社。ネットバブル崩壊後も、その業界に残り、コツコツと仕事をし続けて成功をつかんだ人も多くいます。
これはデータで示せるものがないので、やや説得力にかけると思われる方もいるかもしれませんが、起業家のセミナーや、いまベンチャー業界で幹部をやっている方が知人にいれば聞いてみると良いでしょう。多くの方が、一度、不況期の苦しい時期を経て、現在の成功があると回答すると思います。そう、こうした踏ん張りをした人たちが、今、成功をつかんでいるのです。
転職先選びと株は同じ!?
私はあまり株をやりませんが、友人で、株のディーラーをやっている人がいます。凄腕で、びっくりする年収を20代で稼いでいます。とても質素な暮らしをしているので、一見わからないのですが、もう働かなくてもいいぐらいの資産まであと一歩というほどのお金持ち。その彼に言わせても、「下手な人間は、株価があがってから株を買い、株価が下がってから株を売る。気持ちはわかるが本当にセンスないな」と語っています。これと同じようなことが、今、就職や転職でもおきているのです。たとえば、業界の一位や二位であるとか、ニッチだが業界トップの強みがあるとか、そのような会社選びであればまだわかるのですが、会社が伸びきった頃、成長が鈍化してきた頃に、会社にこれから伸びる会社だと思って入る人がいます。
実は、これだと遅すぎる。イメージとしては、オフィスが相当豪華になり、ホームページを読んだらとても素敵な美辞麗句やビジョンが並んでしまった頃に、ベンチャー業界にメンバーレベルで入社し、ストックオプションや持ち株会、権限などが早く得られるかと言われると、かなり困難といえるでしょう。そのような成長した会社にも、幹部やマネジャー募集はあるので、上?入る場合はもちろんよいと思います。
また、成長が鈍化していても、その業界が、ネットやモバイルのように、全体的にはこれからも伸びそうというのであれば、そこでの経験が生きてくることもありますが、業界もそこまで規模がなく、成長しきった会社に入ってしまうと、案外その先が苦しいものです。
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