ノウハウ-1:人脈を最大限に活用する
左のデータは、同じく「平成14年雇用動向調査」から、入職者がどのような経路をたどって就職したのかをグラフ化したものです。これによると、男性では40歳以上になると、全入職者のほぼ3分の1が縁故により転職を決めています。グラフにはありませんが、55歳以上ではほぼ4割が縁故による転職です。39歳以下の比較的若い世代では、縁故による転職の割合が25%以下となっていますので、高齢になればなるほど、これまで培ってきた人間関係が、転職にも大きく役立っているということができるでしょう。
逆にいえば、34歳以下の若い世代や、初めからそれほど多くの収入や高いポストを求めない女性の場合、情報誌やネット、新聞などに掲載されている求人広告で十分に転職先を探せるのに対し、男性で40歳を超えると広告ではなかなか探せないという事情もあります。必然的に、人脈を通しての情報収集に比重がかかるということになるわけです。
縁故にはまた、一般の公募にないメリットがあります。一般公募では、「年齢が高ければその分柔軟性や知識欲に欠ける」などといった誤った先入観から、応募すら受け付けてもらえないことが少なくないのですが、紹介者を通じての縁故では、紹介者からキャリアや人間性について評価してもらうことによって、紹介先からの信頼と評価を得やすくなるからです。また、紹介者から先方の会社の概要や社長の人となりを詳細にわたって教えてもらうことで、ミスマッチも避けられることになります。
具体的にどんな形で人脈を活用するかについては、別の機会にご紹介しますが、とりあえず、有力な紹介者となってもらえそうな知人・友人の洗い出しから始めるべきでしょう。
ノウハウ-2:人材紹介会社を利用する
データで見る限りは、人材紹介会社を通じて転職を果たした人はかなり少ないようです。しかし、人材紹介会社の多くは、ミドル層やシニア層の求人も多く扱っています。ベンチャー企業など設立間もない企業では、潜在的に、管理者層を求めていますし、新商品の開発や販路の拡大、管理体制の強化などを目的に、大手企業などで先端的な分野に携わっている技術者、合理的で幅広い知識を身につけている専門職の力を欲しがっている中小企業も数多いのです。
40歳以上ともなると、当然、管理者としての経験が求められてきます。専門職や技術職では、相応の知識・技術レベルが求められることになるでしょう。40歳からでもキャリアアップが可能な職種、ポストも用意されていますので、積極的に利用すべきです。
人材紹介会社を通じた転職では、求人企業に関する詳しい情報が得られるため、自分の希望に合った仕事が探せるほか、コンサルタントの適切なアドバイスや活動に関するフォロー、カウンセリングを受けられますので、効率的な転職活動ができることになります。