社会ニュース/よくわかる時事問題

「ワークシェアリング」ってどんな制度?(2ページ目)

「派遣切り」から正社員のリストラまで、雇用環境は悪化する一方! そんな折、注目を集めているのがワークシェアリングです。そこで、ワークシェアリングとはどんな制度? 外国は、どんな方法で雇用を増やした?

執筆者:志田 玲子

ワークシェアリングとは?

画像の代替
ワークシェアリングが実施されれば、残業時間が減る可能性が大……
ワークシェアリングは、労働者1人当たりの仕事量を減らすことで、みなで雇用を分かち合い、失業を出さないようにするための制度。景気悪化により、雇用不安が発生した際に採り入れられる仕組みで、労働時間を短縮すると共に給料を引き下げる手法が主流です。そこで、既に実績のあるヨーロッパ諸国の制度を探ってみると……(以下、参考資料:「ワークシェアリングの現状と課題」ブレイン・ストーミング最前線2002年5月号、経済産業研究所)

ドイツのワークシェアリングは?

まず、ドイツの場合。2001年に勃発したアメリカの9.11テロ事件以降、航空会社のルフトハンザ社では、週5日労働を週4日に短縮。これに伴い、従業員の給料は80%に削減されました。ただ、同国の場合、日本と違って兼業規定(※)がないため、従業員は、他のアルバイトや自営業などによって、減収分を補った模様……。
※ 従業員が他のアルバイトなどで働くことを、会社側が禁じる規定。

フランスのワークシェアリングは?

一方、フランスでは法律の改正によって、当初の週40時間労働を39時間→35時間へと、段階的に短縮。39時間への変更の際は、給料はそのまま維持されましたが、35時間への移行時には、労働組合が給料削減に猛反発! 結局、ワークシェアリングを導入した企業に、政府が助成金を出すことになりました。やはり、どこの国でも給料カットへの抵抗は大きい……。

一方、ワークシェアリングの元祖として名高いオランダでは、その効果で失業率が劇的に低下! 一体どんな離れ技を使った?
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます