社会ニュース/よくわかる時事問題

「小室哲哉」はなぜ転落したのか?(3ページ目)

11月4日、小室容疑者が詐欺の容疑で逮捕され、芸能界に激震が走っています。それにしても、巨万の富を築いた「時代の寵児」は、なぜ転落の道をころげ落ちた? 犯罪に手を染めるまでの軌跡を辿ってみると……

執筆者:志田 玲子

セレブ・ライフが捨て切れず、ついに5億円を詐取!

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収入激減でも、現在住む超高級マンションの家賃は、なんと月額210万円也!
100億円超の預金をわずか10年で使い果たした挙句、15億円以上の借金と収入激減の「2重苦」にあえぐ日々。それでも小室容疑者は、都内の超高級マンションに住み、月々の家賃が210万円、生活費は800万円というゴージャスな生活を続けていました。

そして2006年、自らが取締役を務めるイベント企画会社「トライバルキックス」の関係者2人と共に、ある男性投資家に、虚偽の著作権譲渡話を持ちかけます。「自分がもつ806曲の音楽著作権を、10億円で買い取ってくれないか?」投資家はこの話を信じ込み、前払い金5億円を支払いますが、著作権移転の手続きは取られずじまい……。

その後、民事訴訟ですったもんだの末、小室容疑者が6億円を支払う条件で和解しましたが、結局、数百万円しか支払わなかった模様。業を煮やした投資家は今年10月、大阪地方検察庁に刑事告訴! 小室容疑者は11月4日、共謀者と共に逮捕されたという次第です。ちなみに、逮捕前日に泊まったホテルのスイートルームのお値段は、9万円也……。

借金地獄の果て、自らの音楽著作権を食い物に!

実は、問題の著作権はすべて、借金の肩代わりとしてレコード会社などに譲渡済み。つまり、「著作権はすべて僕にあります」というのは真っ赤なうそで、5億円をだまし取ったということ! おまけに、これらの一部は、トライバルキックスなどに2重・3重に譲渡され、まさに自らの才能の結晶である著作権を食い物にしていたわけです。ちなみに、契約金未払いで差し押さえられた同社の口座残高は、たった6,259円! 住民税も滞納するほどの窮状で、苦し紛れに2004年から、著作権の不正移転に手を染め始めた模様……。

逮捕された小室容疑者は、既に容疑を認め、「被害者には大変申し訳ないことをして深く反省している。刑事責任を取る覚悟はあり、弁償したい」。今後は、「過去の栄光」にすがりつくのはやめ、自分の立ち位置を自覚した上で、身の丈にあったまっとうな「再起人生」を歩んで欲しいものです。

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