文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
地球温暖化防止への関心が高まる中、環境省には「国内排出量取引制度検討会」が設けられ、国内排出量取引制度導入が検討されています。しかし、導入にあたって「サブプライムローン問題の二の舞」を懸念する声も挙がっています。いったいどういうことなのでしょうか。

<INDEX>
サブプライムローン問題が大ごとになったのは(1P目)
サブプライムの次の標的、原油(1P目)
そして次なるターゲットは、排出量取引?(2P目)
証券化ビジネス、お金が主役に?(2P目)

サブプライムローン問題が大ごとになったのは

取引
マネーゲームと化したサブプライムローン、その二の舞とは?
サブプライムローンは、お金を借りにくい低所得層へのローンです。収入が少なく担保になる資産も乏しい人は、通常は返済能力が低いとみなされるために、借入れ時は高い金利に甘んじるしかないのは当然のことです。

貸す側から見れば、高い金利で貸した利子を受け取れる権利は、リスクはあるものの魅力的です。魅力的であるならば、その価値は高まります。

この権利の売買には、単独でのローンの転売だけではなく、金融工学を駆使した金融商品として、多くの投資家が資金を投じました。そのために複雑化し、損失が際限なく広がってしまったのがサブプライムローン問題です。つまり、マネーゲームの対象となったところに、問題の発端があるのです。

サブプライムの次の標的、原油

一方、高騰を続ける原油の先物価格。2008年に入りWTI原油価格が100ドルに達するや否や、その後も高騰を続け、WTI原油価格は5月末には135ドル台に達しています。

過去のオイルショック時と違い、今回の原油価格高騰は、投機的な資金に価格が押し上げられています。原油価格のみならず金など資源価格の高騰は、インドや中国などの新興国の経済発展に伴う需要や、原油や金の産出国の生産量がそれに追いつかないことも理由の1つではあります。しかし、投機目的のファンドや年金基金の運用など、実需以上の買い手によって押し上げられている影響は小さくありません。

そしてその資金は、ついこの前までサブプライムローンで運用されていた資金が流れているとの観測。サブプライムローン問題の想定以上の拡大と長期化で、投資資金がサブプライムローンから引き上げられました。次なる投資対象として、原油や金がターゲットになっているのが現状です。

ところで、このような流れのサブプライムローン問題や資源高騰と、温室効果ガスの排出量取引とは、関係があると言うのです。そのナゾは、次のページで。