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消費者物価で読む、くらしと物価の怖い真実(4ページ目)

物価を見る代表的な指標,消費者物価指数。しかし、使い方次第で物価の見方を誤ってしまうことも。2007年の消費者物価指数と、くらし中での物価判断の注意点をお伝えします。

執筆者:石原 敬子

つまり、この点で注意が必要

ショッピング
生活レベルが上がって支出が増えたことと、物価の上昇を混同しない
消費者物価指数は一つ一つのモノやサービスの価格がどのように変動したかを調べるのが目的です。そのため、私たちがくらしの中で、この指数を参考にするには注意が必要なのです。

家庭で生活レベルが上昇するに従って、購入するモノや利用するサービスの質を上げたり量を増やしたりするのはよくあることです。しかしそのために支出が増えたとしても、これは物価の上昇とは言いません。また、趣味や好みが変わることで支出が変化することもあります。しかし、その変化に伴う支出増も、消費者物価指数には反映しません。その理由は、同じモノやサービスを購入するに当たって、その金額がどれだけの変化をしたかを見るのが、消費者物価指数だからです。

電子レンジや電気冷蔵庫が高機能になり、その分高価格の商品が出回っていますが、消費者物価指数を算出する場合には、あくまでも同じ性能の商品同士の価格変化を捉えます。

もし店頭に、旧モデルと新機能を備えた商品が並んでいたとしたら、消費者はどちらを選ぶでしょうか。旧モデルより価格が高くても、新商品を購入する人は少なくないでしょう。その予算を考える上で、「電子レンジの消費者物価が下落しているから、電子レンジは値下がりしている」と判断をしてしまっては危険です。

従って、実際の生活費がどのように変化しているのかを知るというような使い方には、消費者物価指数は向いていません。この特徴をよく踏まえた上で、利用するようにしましょう。

消費者物価指数という統計は、今後の公的年金の受給額や金利の動向、給料の変化、公共料金などがどうなっていくのか、というものさしにはとても重要です。しかし、実際のくらしの中で、支出する費用がどれぐらいなのかを見ていくには、実際の店頭での小売価格や「家計調査」で集計されている「平均購入価格」など他の資料も参考にする必要があります。


【関連サイト】

「物価を動かす4つの要因と、新事実」

「日銀の金融政策を読むための、3つの物価」

「消費者物価指数(CPI)結果 (総務省)」

【関連リンク】

「物価・インフレ・デフレ・地価」
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