文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
長期的な好景気にもかかわらず、消費は低迷といわれる今。そんな中、オタク層が日本の経済をリードしているような……?

<INDEX>
世界で稼ぐポケモン(1P目)
アニメ市場は10年で1.5倍に(1P目)
オタクを超えたフィギュアブーム(2P目)
アキバ発、日本の景気(2P目)
オタクは「お宅」ではなくなった(2P目)

世界で稼ぐポケモン

ピカチュウのわんぱくアイランド
ポケモンは世界で325億円も稼いできた
ポケモンやドラゴンボールが世界で稼ぐ金額には驚かされます。46カ国で映画「ポケットモンスター」が上映されているその興行収入は、2億8000万ドル。日本円にして、世界中で約325億円稼いでいることになります。

日本アニメがアメリカで稼ぐ金額は、推計43億6000万ドルで、日本からアメリカに輸出する鉄鋼製品の3.2倍(JETROの2002年調査による)。世界のコンテンツ産業の成長率は、2006年予測でなんと6.5%。世界のGDP成長率より高い水準です。稼ぎ力のある日本のコンテンツ市場をもっと伸ばそうと、経済産業省では、「コンテンツグローバル戦略研究会」を立ち上げ、政策でバックアップしています。

というのも、マンガ、ゲーム、アニメなどのコンテンツ産業は、他産業と比べて非常に高い経済波及効果をもたらすからです。

例えば、ポケットモンスターのゲームソフトの売上げは、930億円。それに対し、ゲーム機、攻略本、映画興行、ポケモン関連商品などの直接効果が1兆円、1次・2次波及効果を加算すると2兆3000億円と経済産業省は試算します。直接効果だけでゲームソフト売上げの10倍以上、経済波及効果は25倍程度となるわけです。


アニメ市場は10年で1.5倍に

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (C)カラー・GAINAX
ポケモンだけでなく、日本のアニメ市場は年々増加傾向です。

株式会社メディア開発綜研の調査結果によると、2006年の日本のアニメ市場規模は2415億円とのこと。前年に比べて3.2%膨らみ、1637億円だった10年前の1.5倍です。

なお、2415億円というのはアニメ制作の1次市場までの数字。関連市場を劇場興行、パッケージ販売、テレビアニメ制作、ブロードバンド配信などの範囲です。アニメ市場の定義をコミック、ゲーム、玩具、音楽まで広げると、さらに数字は拡大します。

また、同社の発表によれば、2006年はテレビアニメの放送本数が過去最高で、特に深夜帯(23時以降)放送のアニメ本数が増加したとのこと。これらの作品は、DVDの販売促進につながり、さらに市場拡大に貢献しています。深夜のアニメこそ、オタクの世界。日本の消費に与えるオタクの存在は影響が大きいようです。

オタクといえば、アニメ発のフィギュア。驚くほど拡大しているフィギュアのマーケットについては、次のページで。