社会ニュース/よくわかる時事問題

深刻!ドル安円高で、日本企業はこうなる(3ページ目)

サブプライムローン問題の余波で、円高・原油高・株安の動きが止まらない! 中でも、円高で深刻な打撃を被る輸出産業への影響は、気になるところです。そこで、円高は日本企業の業績にどんな影響を及ぼす?

執筆者:志田 玲子

輸送機械は真っ青! なんと利益の3分の1超が消滅

画像の代替テキスト
円高の影響が特に深刻なのが、自動車などの輸送機械。製造業の牽引役も、為替市場の「春一番」にはたじたじ?
写真提供:写真素材サイトふくすけねっと
円高で特に大泣きする産業とは?
■輸送機械(自動車・船舶・航空機・鉄道車両など)…… 1ドル105円で推移した場合、2008年度の営業利益は、なんとマイナス36.2%!
■電気機械(家電など)…… 同21.6%
■一般機械(金属加工・農業用機械など)…… 13.7%
■精密機械(眼鏡・時計・測定器など)…… 10.9%

2ページで見た製造業の中でも、機械産業への影響が特に深刻! 最も大きな影響を被る輸送機械に至っては、利益の3分の1以上が吹き飛んでしまうことになります。ちなみに、これに含まれる自動車産業の「帝王」=トヨタ自動車の場合、対ドルの為替レートが1円変動することで生じる利益の変動幅は、なんと350億円! つまり、相場が5円円高に振れれば、1,750億円の利益が消滅するというわけです。営業利益2兆円超を誇るガリバー企業と言えども、背筋が寒くなる?!

1ページで見たように、円高トレンドは、今後も収まる兆しが見えず、十数年ぶりの1ドル100円突破も目前?! 経営者は当面、ありがたくない「春一番」の動向に肝を冷やす日々が続きそうです。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
「株安」は、どこまで進むのか?
「原油価格」はなぜ、上昇を続けるのか?
恐るべし! サブプライム・ショックの余波
検証!「サブプライムローン問題」とは?
経済・給料・物価・景気・金融のニュース
IT・ビジネス・産業のニュース
世の悲しみ・恐怖のニュース

●その他のサイト
Economic Trends今回の円高が企業収益に及ぼす影響、第一生命経済研究所

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