音楽プロデューサーの小室哲哉氏が、5億円の音楽著作権譲渡に関連した詐欺容疑で逮捕されました。かつては日本の音楽界を席巻して100億円もの資産を持つと言われた小室氏が、お金に困窮するようになったのは、香港で始めた事業が失敗したためと言われています。

【CONTENTS】
1996年に「TK NEWS」として設立(1P目)
上場はしたものの……(1P目)
2004年には完全撤退、それまでに何が?(2P目)

1996年に「TK NEWS」として設立

音楽
小室氏が生んだ音楽は90年代の日本を席巻していたが……
小室氏のアジアビジネスの発端は、1996年にメディア王と呼ばれるルパート・マードック氏と共同で設立した合弁会社「TK NEWS」でした。この名前は、小室(K)哲哉(T)のイニシャルと、マードック氏が持つニューズ・コーポレーションからとってつけた名前とされます。

主な事業内容は、音楽を中心とした総合的なエンターテイメントをアジア諸国で売り出していくことでした。一定の成功を収めた事業としては、台湾人の女性歌手であるRing(リン)を、1997年4月に日本と台湾で同時にデビューさせました。

Ringのデビューシングル「Process」は台湾のチャートで4週連続1位、日本のオリコンで最高14位にまでヒットさせています。しかしRingは、1999年7月にファーストアルバムを出した後に、すぐに引退してしまいました。

その後にマードック氏がTK NEWSの経営から手を引くことになったため、1998年に同社は社名を「Rojam(ロジャム)」と変えて新たなスタートを切りました。Rojamという名前は、Majorを反対にしてつけられたものと言われます。アジアで、あるいは世界でメジャーな存在になりたいという願いがあったのでしょう。ロジャムは1999年1月には、中国の上海でディスコをオープンしています。

上場はしたものの……

ロジャムは、2001年5月に香港証券取引所に株式を上場させています。普通は株式公開といえば、急成長している会社がイケイケの勢いでやるものですが、ロジャムの場合は多少事情が違っていたようです。

2001年という時期は、2000年にITバブルが弾けて景気が後退し、かつ株価も世界的に下がり続けていた時期です。これは株式を上場させる時期としては、かなり悪い時期であると言えるでしょう。

にも関わらずロジャムが上場したのは、すでに資金繰りが苦しくなっていたために、ともかくも資金を集める必要性に迫られていたからです。しかし上場を強行したものの、直後から株価は下落を続け、上場2週間後には売り出し価格の半額に落ちてしまいました。ロジャム社の株価はその後も下落を続け、それに比例するように会社の業績も低迷します。