途上国の発展にプラス、先進国のガス削減にプラス
途上国にとってのプラス、というのは、いままで自給自足であった国や地域に、仕事を与えることになるからです。環境問題は地球全体で帳尻合わせ? |
二酸化炭素を吸収する目的で植えるその植物が、その地域に新しい産業をもたらします。ゴムの木を植えてタイヤを作る、サトウキビの搾りかすを燃料に発電した分だけ石油などの使用量を減らしたとみなす、食品メーカーの大きな工場を建設する、労働力が集まれば学校や病院も必要になる・・・など二次的な波及効果も生まれてきます。
主に、このような排出権を生むプロジェクトは商社などが手がけ、環境利用者などの電力会社、石油元売会社、大きな工場を抱えるメーカーが買う、という取引の構図が想定されます。
日本でも排出権を売買される日は近い?
すでにイギリスでは、2002年4月に排出権取引所がスタートしています。 「排出権取引市場」は、株式取引市場のように排出権を取引する市場です。市場で取引されるのは、二酸化炭素などの温室効果ガスです。2005年初めから、EUの取引市場が始まりました。市場で取引されるのは、二酸化炭素のみです。
アメリカでは、すでに大気浄化法に基づいて1994年からSO2(二酸化硫黄)の排出権取引市場があります。ご存知のようにアメリカ政府は京都議定書に反対し、参加していないのですが、大気汚染物質の排出を抑制としては積極的で、排出権取引を導入しています。2003年10月には二酸化炭素排出権取引所が開設され、取引に参加する有力企業が相次いでいます。
石油元売各社も環境税は痛手に |
日本でも、いよいよ環境省は、2005年度に排出権取引市場を創設する方針を固めています。環境省はすでに、温室効果ガス排出量取引試行事業を実施し、インターネット経由で仮想取引市場において取引も行っています。
市場取引が十分に成り立つことを確認したうえで、二酸化炭素やフロンなどの温室効果ガスが取引される予定です。環境省の構想では、企業が削減目標を掲げて自主参加し、目標を達成すれば、省エネルギー設備などの補助金が受けられる仕組みをとる予定となっています。
このように取引市場を創設し、マーケットで排出権を取引する企業間、国家間での競争が加速しつつあります。忘れてはならないことは、これは、売買による利益追求ではなく、当初の目的である地球温暖化防止のための手段である、ということです。その上で、日本企業の積極的な取り組みに期待したいところです。
【関連サイト】
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「解説!環境税」(All About「リサイクル・フリマ」ガイドサイト)「日米首脳会談、意外な注目点が!」All About「よくわかる政治」ガイドサイト)首相官邸キッズルーム「京都議定書ってなんだろう?」
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