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クールビズは浸透する?

地球温暖化防止の取り組みのひとつ、COOL BIZ(クールビズ)がスタート。上着なしノーネクタイの軽装で、という環境対策ですが、どこまでビジネスマンに浸透するでしょうか?

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
オフィスで働く女性にとって、エアコンと戦う季節になりました。
今年の夏は空調の設定温度は28度に設定、世の女性たちの味方になるかといわれるクールビズ。
今回はクールビズ(COOL BIZ)についてお伝えしましょう。
空
今年の夏は、体感温度が2度下がる?


<INDEX>
クールビズとは?(1P目)
そうはいっても、ノーネクタイは失礼?(2P目)

クールビズとは?

6月1日、地球温暖化防止の取り組みのひとつ、クールビズがスタートしました。
環境省では、地球温暖化を防止するために、今年から夏の間のオフィスの冷房温度の設定を28℃程度にすることを呼びかけています。そして、その一環として、28℃でも快適に過ごせるような「夏の軽装」を推進。そう、これこそが、今話題の「クールビズ(COOL BIZ)」です!「クールビズ」を簡単に言えば、10月までの夏服の時期は、上着なしノーネクタイの軽装で仕事をしましょう、という運動です。

今年2月の京都議定書の発効をきっかけに、地球温暖化対策があちこちで計られています。クールビズの旗振り役である環境省では、6月に入り職員のほぼ全員がノーネクタイ姿だそうです。上着なし、ノーネクタイだと体感温度が2度下がるといわれており、冷房温度を28度に設定することでエネルギーの消費量を減らそうという試みです。

「クールビズ(COOL BIZ)」は、公募をして決定した名称です。「ビズ」というのははビジネスの略で、夏を涼しく過ごすための新しいビジネススタイルという意味だそうです。環境に優しく、エアコンで寒がる女性にも優しい。この普及に関し、政府は、霞ヶ関から地方自治体、民間企業へと期待を膨らませています。

民間調査機関の第一生命経済研究所では、「“軽装励行”の生産波及効果」として、このCOOL BIZがどの程度の経済効果をもたらすかをアンケート調査などをもとに試算しました。その結果は、次の通りです。

●クールビズ関連商品一式の購入で、一人当たり出費増加額・・・約3万円
・新たに大手百貨店でそろえた場合の費用が約13万円、通常のスーツを新調したと想定した場合のとの差額が3万円程度と見込む

●国家公務員、地方公務員、民間企業への普及する割合を予測・・・ホワイトカラー全体で約619億円
・小売業だけでなく、店舗改装等の建設業、衣類原材料の農林水産業などへの波及効果を含むと約1,008億円

この調査結果は、夏の軽装化を奨励する予定がない企業が48.1%あることを前提にしています(財団法人省エネルギーセンターの2004年5月のアンケート調査による)。つまり、これからクールビズムードが盛り上がれば、さらに経済効果は大きくなる可能性もあるということです。このように前提条件の違いでこの試算もブレるものではありますが、その点を割り引いても単にエネルギー資源の節約というだけの問題ではないかもしれません。

とはいえ、職種によってはノーネクタイは実現が難しいというケースも多いでしょう。次のページでは、実際に軽装化に取り組んでいる企業からの声をご紹介します。
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