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FRB(連邦準備銀行)ってどんな銀行?(3ページ目)

8月の世界同時株安では、緊急利下げを行って危機を救ったのがアメリカのFRB(連邦準備銀行)でした。このFRBですが、名前はよく出てきても、どんな銀行なのか知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

執筆者:鳥羽 賢

FRBにも株式がある―加盟銀行との関係

<12の地区連銀がある都市一覧>
12の地区連銀がある都市一覧
12の地区連銀が、それぞれ周辺の州を管轄している。
FRBは最高意思決定機関として準備理事会があり、その下に12の地区連銀がある組織構造になっていますが、それ以外にも全米の加盟銀行も含めてFRBと言われる場合もあります。ここで言う加盟銀行とは一般の銀行のことで、FRBの株式を保有することによって、加盟銀行として扱われます。

FRBの株式と言っても私たちがよく知っている「株」とは違い、保有してもFRBに対して議決権を持つことはできません。また他者に譲渡したり売却することもできません。この株に対しては、6%以内で配当が支払われます。加盟銀行はFRBに対して預金額の一定割合を預託することが義務付けられているのですが、この金額に対して利息はつきません。そこで株式の配当によって、その埋め合わせをしているとも言われています。

これが本当に最も大切な業務?―ドル紙幣の発行

そして中央銀行として欠かせない業務として、アメリカの通貨であるドル紙幣の発行も行っています。印刷自体はアメリカ政府の印刷局によって行われますが、FRBが受け取る時に支払うのは印刷代だけです。

それに対して、1ドル未満のお金、つまり10セントや50セントのコインを製造するのは、アメリカの造幣局です。そしてコインに関しては、FRBは製造したコインの代金を支払って買い取ります。これはつまり、お札はFRBが発行するけれども、コイン類は造幣局が発行責任者であるという証でもあります。

FRBは日本銀行のように本店がなく12の地区銀行のみですが、基本的な業務はお札の発行、金融政策の制定、公開市場操作と、あまり日本銀行と違いはないようです。


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