問題点はないの?
三和+東海の不成功は生かされるか? |
●竹中プランが実現?
2002年秋の「竹中プラン」で大手銀行に不良債権の処理などについて厳しい目標を課しました。
その時に、銀行は半分に減らしても良い、という考えを口にしていました。
本当にその通りになっては来たのですが、銀行の数だけ減っても、銀行の取扱い資産が多いままだと問題の解決にはなっていません。
●利用者に不利な金利になる?
また、銀行の数が少なくなり寡占状態になると、利用者に不利になる金利設定がなされるのではないかという問題も出てきます。
預金金利は低めに、貸出金利は高めに。
銀行同士が健全な競争をしない環境になってしまうと、利用者にとって恐ろしいことが起こってしまいます。
根本的に、資本調達の方法として銀行部門の役割を縮小していく必要がありそうです。
●官僚的な東京三菱、野性的なUFJ
銀行の合併というといつも壁になっているのが「出身行派閥問題」。
経営トップだけではなく、支店の行員、パートさんまで「いままでのウチのやり方はこうだったから・・・。」と相譲らず、という話はよく耳にします。
性格の違うメガバンク同士が一緒になって摩擦が起こらないように進めていくにはかなりの努力が必要と思われます。そもそも、現在のUFJが思うように改善できなかったのも、三和・東海・東洋信託の合併がスムーズに行かなかったことの表われではないでしょうか。
合併後も課題は山積み? |
今後の課題は?
・効果的な店舗の整理、統廃合
・UFJ銀行の公的資金の完済
・規模は大きくなるものの、経営の効率、質についての改善体制
これらをクリアしてはじめて、メガバンク同士の統合が成功したと言えるでしょう。
財務面で優れている三菱東京フィナンシャル・グループですが、経営効率の面では決して他に比べて優位性があるとはいえません。収益力を高める努力をしなくては、ただ規模だけ大きな金融グループというだけで、競争力もなく、返って金融ビッグバン以前の状況に戻ってしまうことにもなりかねません。
【関連サイト】「コレを見れば危ない銀行がわかる?“銀行のフトコロ”が覗ける冊子」「不良債権処理のプラスとマイナス」「三菱東京とUFJで動く株」(All About“株”ガイドサイト)
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