文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
地球
そもそも、為替ってどうして変動するの?
「政府・日銀による円売り介入」という言葉、よく経済ニュースなどで耳にしますね。けれど、それってどういうこと? 「介入」って何? 何のためにするの? 「介入」したら、どうなるの? それで結局、為替はどう読めばいいの? と思っている方は、ぜひ読んで下さいね。

今回は、円売り介入の仕組みとその背景に迫ってみましょう。1、そもそも、為替介入とは何か?2、なぜ、為替介入をするのか?3、為替介入をしないでいるとどうなるのか?4、為替介入の弊害はないのか?

そもそも、為替介入とは何か?

その前に、為替レートはどのように決まるのか?簡単に説明しましょう。ひと言で言えば、その時に為替のマーケットに参加している、全ての意見の総意です。例えば、円・ドルレートであれば、その時円を欲しいと思う量が多いか、ドルを欲しいと思う量が多いか、ニーズの強い方が高くなるのです。ところが、2003年は、マーケットへの参加者のニーズの他に、為替相場を決める大きな要因が働いていたのです。それが、「政府・日銀による円売り介入(為替介入)」です。意図的に、為替相場を操っているともいえます。これが、為替介入です。円を売り、ドルを買って、ドルで持っている資産は、外貨準備高というところに積み上げられています。

なぜ、為替介入をするのでしょうか?

■2003年はイラク戦争があり、ドルが売られやすかった(=円が買われやすかった)。■日本の景気が回復基調になりつつある兆しが見えてきて、円を評価する投資家が円を買う行動に出た。■米国の双子の赤字(財政赤字、貿易赤字)を懸念する投資家がドルを売った(円を買った)など、理由はいくつか考えられます。
貿易
円高が急激に進むと、日本の輸出産業には打撃!
円が買われると(円高になると)困る人たちが日本には大勢います。輸出業者です。例えば、1台1万ドルで販売できる自動車があったとします。1ドル=100円の時に売れたら1台100万円です。1ドル=120円の時に売れたら1台120万円です。ですから、輸出業者は円安・ドル高の状況の方が嬉しいのです。日本の産業構造は輸出産業中心ですので、輸出業者がもうかっている方が日本全体の景気は良い状態でいられるのです。せっかく、景気回復の兆しが現れ始めてきたのに、円高(1台100万円で売れる状況)になってしまっては、不況に逆戻りしかねない、と心配する政府が、円を売ってドルを買い、為替相場が円安にるように意図的に操作しているのです。

為替介入に使う資金について

日銀は、2003年末に、当初予定額79兆円から2004年度分までで140兆円に枠を増額すると発表しました。すなわち、そこまでドルを買う、ドル暴落回避をする、ドルの買い支えがある、と読むことが出来ます。ところで、この資産の使い方について、国民からクレームは出ないのか?という疑問も沸き起こりますが、この資金の出所は、税金ではありません。政府が「外為証券」という短期証券(FB)を発行し、その資金でドルを買います。民間から借りていて、国費を使っていません。日本の国としては、税金を使わずに景気を下支えする手法として重要な景気対策の一つとなっています。

では、為替介入をしないでいるとどうなるのか?次のページでご説明しましょう。