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経済入門 早わかり財政-1 財政の仕組み-予算と国債-(3ページ目)

第1回は、日本の財政の仕組みの解説です。財政の仕組みは非常に複雑で、多岐にわたりますが、ここでは、国家予算と国債(建設国債・赤字国債)についての基礎知識の一部をご紹介します。

執筆者:石川 秀樹


今回のキーワード


予算
……国の収入と支出の見積もりです。予め計算するから「予算」です。この予算には、年度前に作る通常の予算(本予算、あるいは当初予算と呼ばれます)の他に、暫定予算、補正予算があります。予算は、大蔵省が各省庁の要求を取りまとめ、閣議で決定し、国会の議決を経て成立します。

当初予算(本予算)
……年度前に作る通常の予算。

暫定予算
……新しい年度の始まる前に予算が成立しないときに(予算がないと、新年度から困ってしまいますので)必要な範囲で暫定的に作る予算です。ですから、暫定予算は、本予算が成立すればなくなります。

補正予算
……年度の途中で、天変地異や経済状況の変化や政策の変更により、当初の予算を執行することが不可能であったり不適切であるときに、本予算の内容を変更する予算です。この補正予算は、不景気な最近では景気対策として毎年のように行われています。

国債
……国の発行する債券です。では、債券はというと、国や企業が資金調達の際に発行する有価証券なのですが、要するに、借金するときに発行する借用証書みたいなものです。ですから、債券の発行というと格好よいのですが、要は借金をするということです。

建設国債
……主に公共工事に使われるために発行される国債。国家財政の基本を定めた財政法では、第4条において、公共工事などに充当する場合にのみ国債を発行できるとし、この建設国債しか認めていません。これは、建設国債であれば、公共工事など将来にメリットを残すので国債発行(=借金)という形で将来に負担がかかっても容認できるという考えからです。

赤字国債
……財政赤字を補填するために発行される国債です。財政法上規定がなく認められていません。しかし、毎年、財政法では認められていないのだけれども、今年は特例として赤字国債を発行するという法律(特例法)を作って赤字国債が発行されています。ですから、赤字国債を特例国債と呼ぶこともあるのです。

次回は、2.財政の支出-2割は借金関連!についてご紹介します。
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