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将来住むならここ!世界の所得税比べ(1)(2ページ目)

最近は定年後などに海外に住む人が増えています。そんな時気になるのが、現地の所得税です。税金の安い国はどこでしょうか?

執筆者:鳥羽 賢

南北アメリカとオセアニアの所得税

南北アメリカとオセアニアの主要国所得税率一覧
南北アメリカとオセアニアの所得税率
国によってはこの他に地方税が課税される

以上が、アメリカ大陸やオセアニアの主要国の所得税率です。アメリカ合衆国は、日本よりやや低い程度です。ここに書かれているのは連邦税で、その他に州税もあります。それから北米のもう1つの国カナダですが、表にあるのは連邦税だけです。

カナダは連邦税の他に州の所得税があります。そして州税は、州によって違いが大きいので、表にまとめるのは難しくなっています。目安としては、だいたい5~15%程度となります。つまり州税が高いところでは、最大で40%くらいの所得税が課せられるのです。

人気の高いオセアニアの2国、でも税制は…?

日本人の間で留学や移住先として人気が高いニュージーランドですが、こちらの所得税制はやや厳しいものがあります。最高税率は39%で日本と大差ありませんが、最低税率が19.5%になっています。そして、基礎控除などもありません。つまり、どんなに低い収入でも19.5%の所得税が課せられるということです。またニュージーランドでは、GST(消費税)も12.5%と高めになっています。

昔は最高税率が66%もあったのですが、1996年に税改正があり、一気に低くなりました。これらの税改正は「貧富の差を拡大させた」として、一部の人から批判されています。ニュージーランドでは、低所得でも税金を取られてしまうのです。

同じく人気の高いオセアニアのオーストラリアも、所得税はやや高くなっています。最低税率が0%で、最高税率が47%というのは普通かもしれません。しかし、最高税率に到達する所得額が低くなっています。

オーストラリアでは、7万豪ドル超の所得に対して、47%の税金がかかります。7万豪ドルとは、日本円で約600万円です。つまり、600万円超の所得には約半分の税金がかけられるのです。これは日本で最高税率に到達する1800万円に比べて、かなり低いでしょう。

さて、次回の世界の所得税比べ(2)では、多種多様なヨーロッパ諸国の税金についてお話します。

注意:情報の正確性には万全を期しておりますが、税制は常に変更されるものであり、記事完成後に変更されている可能性もあります。また配偶者の有無などによっても変わります。実際に住んで課税される予定のある方は、改めて最新の情報を調べることをお薦めします。

【関連記事】
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