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計算してみよう!主婦労働の賃金(3ページ目)

アメリカの就職支援サイトSalary.comが、主婦労働の賃金を計算できるページを掲載しました。内容はアメリカ人向けですが、それを使って日本人の主婦労働についても計算してみましょう。

執筆者:鳥羽 賢

主婦の残業代を計算する

最初にお話したところでは、主婦労働は年間1500万円に相当するということだったのに、前のページではなぜか1200万円になってしまいました。なぜでしょうか?これは残業代、つまり時間外手当がまだ計算されていないからです。ここではお手元に電卓を用意して、主婦労働の残業代を計算してみましょう。

Salary.comの試算における残業代は、週40時間を超えた分について、50%の時間外手当が加算されるという形になっています。では日本だとどうなるでしょうか?日本の場合は、週40時間を超えた分についてつけられる点は一緒ですが、金額としては25%になっています。

実際には休日や深夜などの手当もあり、日本の労働基準法で規定されている時間外手当は多少複雑になっています。しかしここでは簡略化のために、全て25%としておきましょう。

平均時給を計算してから残業代を出す

10種の労働について合計賃金を出した表
合計賃金を出した表
専業主婦の労働は1週間に23万円にも該当します
時間外手当を計算するためには、まずは週の平均時給を出す必要があります。前ページにもあった上の表の例で言えば、合計賃金を労働時間で割れば、平均時給が出ます。つまり、

平均時給=231,150(合計賃金)÷91.6(労働時間)=2,523円

となります。ここで労働時間は91.6時間ですが、その内40時間までは所定時間内労働になるので。そのままの時給で残しておきます。

所定内労働賃金=2,523×40=100,920円

さらに時間外手当を計算してみましょう、残りの51.6時間について、25%を加算するのです。

時間外労働賃金=2,523×51.6×1.25=162,733円

となり両方を合わせると、1週間の賃金は263,653円になりました。これに52を掛けて年間の賃金を出すと、約1370万円になります。すでに述べましたが、Salary.comの試算では、時間外手当が50%になっているので、その場合だと合計が約1500万円になるのです。

改めて問われる主婦業の価値と役割

現在の日本では働く女性が増え、専業主婦はやや減少しています。また将来に対する不安から、子供を持たない家庭も増えています。家事や育児などの労働は、直接的に賃金をもらえるわけではないので、「きちんと評価されない」という不満を持っている方もいるでしょう。そんな中、主婦業の労働価値を明確に評価・計算したSalary.comのサイトは、大きな意味を持つことでしょう。


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