「YOUメッセージ」で無意識に責めてしまっているのかも
話し方ひとつで相手の心に壁を作ってしまうことも! あなたの発言は、YOUメッセージになっていない? |
メッセージの伝え方を単純化すると、2種類に分けることができます。
1.「あなた」が主語になるYOUメッセージ
→「あなたは○○だ」「あなたは○○べき」
2.「わたし」が主語になるIメッセージ
→「私は○○と思う」「私は○○だと感じる」
A君のセリフを見てみると、ほとんど全部と言っていいくらいYOUメッセージが占めています。
「派遣社員の処遇についてですが、課長(あなた)は考えていただけたでしょうか? 」
「課長(あなた)だってわかっているでしょう? 」
「課長(あなた)は僕の意見をまともに取り合ってくれない」
YOUメッセージの特徴は、「あなた」を主語にしていることです。そうすることで、相手を一方的に断定したり、判断しているように受け取られがちです。A君に悪気は無くても、相手にしてみれば、言葉を至近距離から全力で投げつけられているように受け取られてしまいます。まさに言葉の攻撃ですね。
A君の意見は、確かに正しい。それは課長も「君は確かにいい意見を出してくれる」と認めています。しかし、相手は会話の途中で「もう少し言い方を工夫したほうがいいかもしれないよ」と小さな悲鳴を上げています。これでは、あなたの意見がどんなにすばらしいものでも、聞き入れてもらうのは難しくなってしまいますね。
Iメッセージに書き換える。相手との関係も書き換える。
それでは、先ほどのセリフをIメッセージに書き換えてみましょうか。主語を「あなた」から「私」に置き換えて、あなたの感情を表す言葉(楽しい、がっかり、悲しい、感じる)を付け加えるとスムーズにいきます。【YOUメッセージ】「派遣社員の処遇についてですが、課長(YOU)は考えていただけたでしょうか?」
↓
【 I メッセージ】「派遣社員の処遇についてですが、課長の考えを聞かせていただけたら(I=私は)うれしいですのですが」
【YOUメッセージ】「課長(YOU)だってわかっているでしょう?」
↓
【 I メッセージ】「僕(I)は課長も同じ意見を持っておられると感じています」
【YOUメッセージ】「課長(YOU)は僕の意見をまともに取り合ってくれない」
↓
【 I メッセージ】「僕(I)は、課長が僕の意見を取り上げてくださらないように思えます」
どうでしょう? ずいぶん言葉の印象が変わりましたね。相手にとって、だいぶ受け取りやすいメッセージになったのではないでしょうか。
Iメッセージの最大の長所は、あくまでも自分の気持ち(感情)や意見をハッキリと明確にできることです。このように伝えられた相手は、「これはあくまでもA君の意見なのだから、自分に押し付けられたものではない」と判断できます。すると、その意見を客観的に受け入れやすくなり、つまりはあなたの話が受け入れてもらえる可能性が高くなるのです。
全く同じような内容でも、主語が変わるだけで、ずいぶんと言葉の印象や沸き起こる気持ちも変わってくると思いませんか?
言いたいことが言えないタイプのあなたはどうすればいい? そのヒントは次ページに!