話し方・伝え方/上司・年上・年下との話し方

部下を褒め殺していませんか?(2ページ目)

「褒めて伸ばす」が最近の部下のマネジメントのトレンドです。ところが、褒め方を間違えると、部下が調子に乗ったり、妙な抵抗を生んでしまったりします。きちんと「褒めて伸ばす」方法を知っていますか?

執筆者:君塚 由佳

ほめる時は具体的に!○○を褒める

輝く笑顔が帰って来たら……
コミニケーションは、双方向のものです。あなたが投げた言葉で、相手が輝けるなんて素敵なことですね!
少し前、保育師やビジネストレーナーなどの人を育てる仕事に従事している人の間では「叱る時は、人間性を否定するようなことがあってはならない。だから、人間性を指摘するのではなく、問題がある行動のみをピンポイントで叱る。逆に褒める時は、人間性を丸ごと賞賛することが自己評価の向上につながるので、好ましい行動のみを褒めるのではなく、人間性を褒める」というのが常識でした。

映画のセリフを見ていても、「君は自慢の息子だ!」「私は、あなたのような有能な部下を持てて幸運だった!」などと熱烈に人間性を褒めちぎるシーンをよく見かけます。この方法は欧米では華々しい成果をあげ、定着をしました。そのまま日本に持ち込まれ、現場でも普及し始めたのですが、叱る部分はいいとして、謙虚さを美徳とする日本の文化においては、手放しで人間性を褒めてしまうと、喜ぶどころか逆に「そんなにスゴイ人でもないのに、いたたたまれなくなってしまう」「その場を逃げ出したいくらい恥ずかしく感じる」という反応が続出しました。

そこで、最近は叱る時にも、褒める時にも具体的な行動をターゲットにする手法が普及し始めています。日本人は行動を褒められた方が、素直に喜ぶことができ、その行動をずっと続ける励みになるようです。

つまり、行動を具体的に褒めるとは、例えるなら、このようになります。
×「中村さん、最近がんばっているね!」
○「中村さん、今月の売上No1なんて、営業トークの勉強の成果だね!」

×「鈴木君、君はやるね!」
○「鈴木君、先方に通い続ける君の根気には脱帽だな。ベテラン営業マンでもなかなかできないよ。おかげで契約が取れたよ。」

つまり、具体的な行動を褒めるとなると、上司は絶えず部下の言動に関心を払わなければなりません。なぜならば、しっかりと相手に関心を向けていないと、結果的にあいまいな褒め方になってしまい、それは確実に相手に伝わってしまうからです。褒められることで得られる一番のメリットは、部下が「自分の上司は、ちゃんと見てくれているな」という気持ちになれることかもしれませんね。的確に部下を褒めることができれば、そのモチベーションがみるみる上がっていくのも当然の結果なのです。



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