■築年数が経つとどんな手入れが必要?
住宅をいつまでも美しく、そして本来の機能を保つには、建築後の時間経過とともに、それ相応の手入れが必要です。なぜなら、それは住まいの基本性能を維持して快適に暮らせるというだけでなく、中古住宅として家を売却するときの価格にも影響するのです。中古住宅市場では、木造住宅は築15年になると、評価額がゼロになるのが一般的です。しかし、ある中古住宅を対象とした仲介システムによると、メンテナンスなど、適切な維持管理をしてきた住宅は、築15年を経過した物件であっても、買い手がついているケースもあるようです。
この仲介システムにおける売買実績のデータを参考に、どんなチェックをするべきなのか、以下の外まわりのポイントから見ていきましょう。
・外壁の塗装
・屋根の性能
・将来の補修
・中古住宅
・新築時の住宅会社選び
■外壁の再塗装は築15年が目安
外壁は、風雨にさらされ、紫外線を常に受けるなど、かなり過酷な条件のもとにあります。どんな状態になったら、手を入れる時期なのか、自分でできる簡単なチェック方法をご紹介します。
一般的な外装材、特に有機系の塗装をした外装材の場合は、表面を手で軽くこすってみて、塗料などの粉が手に付くようなら、劣化がおきている状態。こういった症状が現れたら、早めに塗り替えなどが必要です。また、外壁にひび割れ(亀裂)やシミ、はがれがあるときは、劣化がかなり進行しているので、できるだけ早い時期に補修を依頼しておいたほうがよいでしょう。ひび割れも亀裂が小さいものは、ホームセンターなどで市販されているスプレータイプの防水剤をかけておくか、市販のコーキング剤を埋め込んでおくなどの、応急処置があります。しかし、どちらも工務店など専門業者による処置までのつなぎだと考えてください。
外壁を素人がチェックするときは、高いところに上ったりせず、1階の外壁など、手が届く安全な場所で確認します。
■屋根の防水性能の目安は約30年
屋根も外壁と同様に、厳しい条件下にあります。しかし、屋根に上るのはとても危険なので、下屋など、バルコニーや窓から眺められる範囲で判断しましょう。屋根材が瓦や彩色スレートの場合は、屋根材が割れていたり、ずれている箇所がある場合は、できるだけ早めに対応する必要があります。自分ではできないので、専門業者に依頼します。彩色スレートの場合は、築年数が経つにつれ、色褪せが気になることがありますが、性能にはあまり大きな変化はないようです。ただ、最近では、紫外線による塗膜の劣化を極力防げるように無機塗膜にした商品も出ています。